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ザンスカールのバイク旅【後半】

この記事は2014年に書かれたものですが修正して2019年に更新しています。

2014年の為替は1インドルピー=1.6円です。

2014年8月30日  世界一周357日目

昨日モンブランゲストハウスに到着したミゾヨコ一行。どうやら宿は私たちで満室になったらしく、後から来たバイカーは宿探しに難渋しているようでした。宿ではラムカレーを食べたら想定以上に美味しかった。

今日はゆっくり寝て昼から行動開始。温泉があるというところまで行ってみたけど、水たまりほどの深さしかなくすぐに移動。

四日目 カルシャゴンパ

カルシャゴンパがある集落に来ました。

昨日までの道は夏の間だけしか通れず、ここは冬の間は完全に陸の孤島になってしまいます。なんとマイナス35度まで下がる極寒の地になるそうです。冬の間はこの川の凍った上を歩いてレーまで行く「チャダルトレッキング」が有名です。

この辺り一帯はチベット民族で構成された地域。中国のチベット自治区では壊されてしまった建物も、ここでは残っているとのこと。

お坊さんが多く住んでいる建物

ここがザンスカールにある最大の仏教寺院群で、観光客はガイド付きのトレッキングで訪れることができます。

なぜあんな崖にわざわざ家を建てたんでしょうか。

結構小さい子どももいます。

ここにもヌブラにあったような石があります。

車もほとんど通らず、かなりのどか。

宿のおじさんが、何やらイベントがあると教えてくれたので、村の中心へ行くことにしました。

一応ここがメイン通り。

音のする方に行ってみると、伝統衣装に身を包んだ男性たちが踊っていました。

ザンスカールの食事事情

食事はホテル併設のレストランが一番美味しかった。洋食が食べたくて商店街にある観光客向けのレストランに行きましたが、ピザの生地がチャパティーでできていて、ピザソースが得体の知れない味だった。やはり、その土地で食べているものが一番間違い無いのかも知れない。

五日目

2014年8月31日  世界一周358日目

今日からレーに向けて出発。朝7時に宿を出て、どんどん進む。

馬を引き連れて仕事にでも行っているのか。写真が撮りたくてバイクを止まってもらったけど、おばちゃんの表情は固く、話しかける前からカメラを拒んでいるのがわかった。

私達からすると、こんな山奥のことはなんでも珍しく、なんでも写真に収めたい。だけど、アトラクションのように写真を撮るのは相手を物としか見てないということだし、失礼だよな・・・。反省。

来るときにお昼ご飯を作ってくれた叔父さんのところに寄りましたが、あいにくの不在。先に進みます。

素朴な青年が一人で営業していたキャンプ場では、欧米人のグループがキャンプをしていました。

ここからグループでどこかの山に登るらしい。ポーターやコックなどを引き連れ、かなりの人数。

河原で何かを拾っている人たち。よく見れば家畜の糞です。これを乾かして冬に薪がわりにしているそうです。

行きがけに寄ったラングダムのツーリストバンガローに到着したのが15時。今度は管理人がいて中を見せてもらったけど、あんまり綺麗じゃないので次の村まで行ってツーリストバンガローに宿泊。

六日目

2014年9月1日  世界一周359日目

今日は少しゆっくり目に起きる。この宿はお湯も出ないし食事も高くていい印象はなかったけど、持ち込みのラーメンを作ってくれた。そして、カルギル方面に再出発する。

途中の道端でおじさんが立っていて、何やら話しかけてきた。どうやら隣の村まで乗せて行って欲しいらしい。

あら、ごめん。もう後部座席には私がいるわけだしどうやって?っと思っていたら、Jさんが快諾しているではないですか。

まあ、インドではバイクの3人乗りなんて当たり前か。

おじさんを間に挟んで先に進みます。

10分ほど走って隣の村に着きました。

おじさんは公務員だったみたい。日本で公務員がこんなことしたら大問題だけど、所変われば常識も大きく変わります。

きたときにも止まったチェックポスト。

大分カルギルに近づき、村が多くなってきた。学校帰りの子どもや住民を乗せたバスが走っている。

この道なら大丈夫だけど、ネパールの絶叫バスを思い出した。

また違う村に差し掛かったとき、バイクの速度が急に弱まりJさんが話しかけてきた。どうやら、行きがけにおチャイをご馳走してくれた学校の先生が道を歩いていたらしい。

話しかけると、家に招待してくださりお茶をご馳走してくれた。

家の中の様子。観葉植物がよく手入れされていました。

チャイにクッキー、それにこの地方で作られるヨーグルトもご馳走してくれました。個人的にチャイはラジャスタンのが美味しい。写真を送ることを約束し、メールと住所の交換をして再出発。

なんだか近所の人まで集まってきてしまった。

キャンプにもいた翔先生の娘さんと妹

ザンスカールではチベット仏教徒ばかりだったけど、ここにきてイスラム教の人に変わった。

さらに走っていると、トラックが立ち往生中。

左の工事用トラックと、右の軍用トラックがすれ違いでぶつかっているみたい。そんなに細い道でもないのに・・・・。

軍事用のトラックは時として住民の足にもなります。

この日はカルギルを過ぎた小さな村を観光中に、フランス人カップルと仲良くなり、同じ宿に一泊する。彼らはヒッチハイクで回っているらしく、ここからさらに北部の村に行くために商業用のトラックの後ろに乗っていた所、検問に引っかかり降ろされてしまったとのこと。どうやらパーミットが必要な地域だったそうで、進路を変えてこれからさらに西のスリナガルを目指すんだそうだ。

バイクも結構な冒険だと思うけど、ヒッチハイクもかなりの大冒険。

七日目

2014年9月2日  世界一周360日目

今日はレーまでハイウエーを帰るだけ。ゆっくり起きてからの出発。

ラマユルが近くなると山がベージュ色になってきました。

ラマユルゴンパは11世紀にまで歴史をさかのぼることができるらしい。

この草木のない、荒涼とした大地が「月の世界」と言われるゆえんだそうです。

せっかくなのでラマユルでご飯を食べることにしました。

ここでは大学院生の日本人と台湾人の女の子と出会い、4人でご飯を食べました。

ここの焼きそばは美味しかった。

そしてハイウエーをぶっ飛ばし、無事にレーについたミゾヨコ一行。

ザンスカールバイク旅まとめ

カルギルまではアスファルトの道でとても走りやすい。カルギルからザンスカールに向けて南下し、サンク(sankoo)村あたりから道が険しくなり雪解け水が道を塞ぐようなところもありました。乗用車やカブのような車高が低いバイクはおそらく走れません。

村に一つはツーリストバンガローがありますが、シーズンオフが近いと営業していないことがあるので注意が必要。食事ができる食堂はカルギル近くの村にはありますが、基本的にはあまりないのでクッキーなどの補食は持参した方がいいと思います。

バイクの旅は自由度が高く、バスでは会うことができない僻地に住む住人と話すことができて楽しい。その分、タイヤのパンクやガソリンの補充など自分たちで管理することは多くなるけど、その大変さを吹っ飛ばせるくらいの面白さがある。すっかりバイク旅に心奪われたミゾヨコは、これからしばらく悶々と悩むのでした。

mizoyoko