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南米の秘境〜ギアナ高地のロライマ山へ!

マルゲリータ島からサンタエレナへ

2016年3月13日  世界一周669日目

レンタカーを返し、空港に帰ってきた。プエルトオルダスまでのフライトは無事取れたが、サンタヘレナまでのまでバスがあるかどうかはまだわからない。またどこかでスタックしたりバスチケットが取れなかったりして、ミゾヨコ一行の意思とは関係のないところでロライマに行けなかったらどうしようか。どうしても悲観的になってしまう。

もうこんなに先行きが不安なら、いっそのことロライマ行きを中止してリゾートホテルでゆっくりしたらいいのではないか。そう思うことさえあった。

しかしそんな心配とは裏腹に、飛行機は何事もなく離陸しプエルトオルダスに到着。空港からバスターミナルへの移動もスムーズ。サンタエレナまでのバスチケットもすんなり買うことができた。なんだったんだ、この間までの苦労は。

2016年3月14日目  世界一周700日目

夜行バスで一気にサンタへレナまで移動した。極貧国だがバスは南米人のお尻のサイズで作られているため広々としていて助かった。途中に例の銃乱射事件のあった村を通ったようだが、爆睡していたようで知らない間に通り過ぎていた。

ところで、ロライマ山って?

実はHさんが教えてくれるまで、ベネズエラには世界最長の高低差をほこるエンジェルフォールズくらいしか知らなかった。

ロライマ山とは、南米の北部にあるギアナ高地にあるテーブルマウンテンで、ベネズエラ、ガイアナ、ブラジルの国境にまたがる位置にある。標高1000メートルに切り立った壁は陸に浮かんだ軍艦にも喩えられるそう。また、地震や火山噴火などがほとんどないため、地球で最古の岩盤が残ると言われている。

ツアー探し

手ごろな宿にチェックインして今度はツアー探しを始める。

ここからのツアー代金は200から300ドルのようだ。行程は5泊6日。ツアーに何がついているか、どんな物を持参しなければいけないのかなど各会社に聞いて回る。ちょうどツアーから帰ってきた韓国人と知り合い、彼女の紹介でひとり185ドルでツアーに参加することが決まった。

早速ルイスくんから行程の説明を受ける。テーブルマウンテンの麓まではあまりアップダウンのない平地をひたすら歩くようだ。

続いて両替をする。2人合わせて400ドルくら交換したらスーパーの袋にこんな状態の札束となる。

明日の出発に向けて準備。

テントや食料品などはポーターが運んでくれる。

自分で持っていくものはおやつと寝袋と着替え、サンダル、ヘッドライト等。前もってどんな寝袋を使うのか見せてもらった。ほとんどシャワーなしの汗だくで使い倒した寝袋であることは明確だった。いろんな意味で少し不安が残る。

盗難!?

2016年3月15日  世界一周671日目

朝6時半に起床。シャワーを浴びて荷物のパッキングにとりかかる。ところが窓に干してあった下着がなくなっている。Hさんのはそのまま置いてあるのに、私のだけが無くなっているのだ。

実は下着にはこだわりがあって、見た目は小汚いバックパッカーでも下着だけは割とお金をかけている。高い下着だけに取られたのは腹立たしいが、盗んだ方もお目が高い。でもやっぱり悲しい。

窓際には干したけど、窓は宿の廊下につながっており外部からの侵入者に盗まれるというのはあまり考えにくい。宿の住人か。それともベッドの隙間に落ちたのか。はたまた勘違いで別の場所に干したのか。

荷物をひっくり返し、散々探し回ったが私の下着は出てこない。

これからまだ旅は続くのに下着が一枚減るのは非常に悔しいが、ツアー出発に間に合わなくなるので諦めてチェックアウトすることにした。

パッキングを済ませて最後にトイレ行った。

ん?

んーーーー????

・・・・・・・・。

無くなったパンツを発見した。

いつの間に?なんで?

状況が飲み込めない。用を足すのにパンツを下ろしたら、その下にまたパンツが出てきたのだ。

どうやら私はシャワーを浴びた後にパンツを二回履いたようだ。パンツ履いたのに、またパンツ履いてるってどゆこと?ご飯食べたのにご飯食べてないと言い張るボケ老人よりやばいではないか。

百歩譲って泥酔していたならまだわかる。しかし私は6時に起きてシャワーを浴び、どちらかというと意識は朝の時間帯のなかでも鮮明な方ではないか。

私の身にはこういう不思議な出来事が何度も起こる。

世界で一番信用できないのはインド人でもエジプト人でもなく、多分この私自身だ。もうこんなアホなことするならこの世から早く消えてなくなりたい。そんな自責の念を抱えたまま用を足すことになるとは思いもしなかった。

あまりにもバツが悪い結末。大騒ぎしたミゾヨコに付き合って一緒に探してくれたHさんに、私のパンツ自慢しなくてよかった。いや、ちょっとしてしまった。それだけに、この事実を告白するのが死ぬほど恥ずかしく、そして怖くもあった。だからこの時彼女にはこの事実を言えなかった。時効となった今頃こうして告白している。

ロライマ山トレッキング1日目

そんなバタバタした朝だったが、予定通り8時にツアー会社に到着した。

食糧の調達が遅れ遅れになったようで、出発出来たのは10時を過ぎてからだった。

2時間ほど車で移動し、スタート地点で同じグループの人たちと自己紹介をする。ツアー会社のオーナー兼ガイドのルイスくんを筆頭にポーターやコック達が挨拶。参加者はロシア人男2人、韓国女子、ペルー人カップル、イギリス人カップル、そしてミゾヨコ一行の合計9人。

雨上がりの草原をひたすらに歩く。

緩いアップダウンにどこまでも続く地平線。ここでトレイルマラソンがあったら最高だろうな。

ポーターはこんな感じで荷物を背負うんだけど

中には自転車持参のポーターも。

山道がないから理にかなっている。

大分近くなってきたテーブルマウンテン。

橋がかかってないので素足になり、転ばないように川を歩いて渡る。

無事に渡れた。今度は水着に着替え川で泳いで汗を流す。

今日の野営地はこの川のほとりとなった。テントは各々が好きなところに張る。

ロライマ山トレッキング2日目

2016年3月16日  世界一周672日目

朝5時半に起きる。やっぱり南国だからなのか。それ特有の時間の流れがあり、今日も予定の時間より30分遅れで出発する。

草原にぽつっと建っている家。こんなところに誰がどうやって建てたのか。教会にも見える。こんな人里離れた一軒家にひとりで住んだらパンツが無くなっても大騒ぎしないかな。でもこれはこれで寂しくて死んでしまいそうだ。

今日はなだらかな上りが続く1日だったが、びっくりするほど楽に目的地についた。残念ながら雨は一日中つづき、ゴアテックスのジャケットも中まで水が滲みていた。2足しかない靴下も残念な感じ。靴の中もびしょびしょで気持ち悪いけど、夕方から雨が止んだおかげで少しだけ乾いた。

今日のキャンプ地がロライマ山麓のベースキャンプとなる。雨のおかげでテーブルマウンテンからの滝の水量が増えていて綺麗だったが、日暮れまで日光に当たることは出来なかった。

ご飯は割とごうせいで美味しい。

ここ2週間ひとりになることがあまりなかったから、夜は夕食の後で近くを1人で散歩した。2時間ほど蛍が飛びかう川を眺めていた。少しずつ雲がなくなり星空が覗くと気温が下がり始めた。薄暗く光を放つテントとロライマ、それに星のコラボレーションは最高の構図だったけど、あまりに寒くなり早々にテントに向かった。

テントに帰るとHさんはすでに横になっていた。少し横になるとだんだんと蒸し暑くなり、一枚ずつ服を脱ぎ最終的にはスパッツと長袖一枚の格好になっていた。

ロライマ山トレッキング3日目

2016年3月17日  世界一周673日目

朝は寒過ぎて起きた。朝食をとり、8時半に出発。

キャンプのすぐ裏側から絶壁に向けて歩き出す。10分ほど歩いて森から傾斜の強い上りになった。今雨が降っていなくて本当によかった。
それを過ぎると、今度は屋久杉を見に行った時のような森の中を登ったり歩いたり。絶壁まで登り詰めると、今度はテーブルマウンテンからの滝の雨を浴びながら再び岩をよじ登る。

常に滝のしぶきが降り注ぐところは滑りやすく怖いんだけど、屋久島みたいに苔がかわいい。

時折り振り返ると、昨日までいたベースキャンプがどんどん小さくなってくる。

落ちたらと思うと怖くて足がすくみそうなので、上を見て登るのみ。

山頂到着。みんなヘロヘロで放心状態。

少し休んで今日の寝床へ移動中。

こんなでっかくて平らな山ができる自然の凄さよ。

今日の寝床は岩の上。ゴツゴツしてて背中痛いけど、雨もしのげて安心して寝れる。

コロンビアに降り立って2週間。これまで決死のバスターミナル野宿から殺人事件で道の封鎖、計画断水など散々だっただけに、無事に山頂まで来れて安堵したミゾヨコ一行なのでした。

後半へ続く。

mizoyoko