この記事は2014年に書かれたものですが修正して2019年に更新しています。
2014年の為替は1インドルピー=1.6円です。
シヴァ神さまの誕生祭で長居してしまったオームカレシュワールから重い腰をやっとあげたミゾヨコは、バスで3時間移動したところで宿の人から連絡が入り、SDカードを忘れていることが発覚。また3時間かけて戻り、さらに一泊しました。
延泊ついでに、前回の記事では伝えきれなかったインドの宗教の話をもうひとつ。
今回はヒンズー教のシヴァ神さまの誕生日でこの地に来たわけですが、あのオーム型の島の近くに、実はジャイナ教のお寺もあります。
ジャイナ教は、マハーヴィーラ(ヴァルダマーナ、前6世紀-前5世紀)を祖師と仰ぎ、特にアヒンサー(不害)の禁戒を厳守するなど徹底した苦行・禁欲主義をもって知られるインドの宗教。「ジナ教」とも呼ばれる。仏教と異なりインド以外の地にはほとんど伝わらなかったが、その国内に深く根を下ろして、およそ2500年の長い期間にわたりインド文化の諸方面に影響を与え続け、今日もなおわずかだが無視できない信徒数を保っている。
Wikipedia
このジャイナ教の特徴的なところは、生き物を傷つけない、何も所有しないを徹底している人が多いこと。どうやって徹底しているかと言うと
移動は徒歩のみ。歩くときは裸足で歩き、口にはマスクをする。
乗り物を使うと、小さな虫や生き物を殺してしまうかもしれないから乗らないそうです。素足だと虫を踏みつけそうになっても感覚でわかるし、マスクをすると口に間違って虫が飛び込んでくることがない。
食事はベジタリアンの中でも、一番厳しいとされるヴィーガンです。
ニンニクやジャガイモなど、その物を食べることで植物を命を取ってしまうと考えているため、木になったリンゴやトマトなどの、直接植物を殺さない食べ物しか食べません。
そして、衣類は全て白い服を着ます。
実は私も、デリーから南に向かう列車でその団体に出くわしていたんです。
西インドで白っぽい服に白色のストールをまとっているのは、ほぼジャイナ教の人だと思います。そして、保守的な人は全裸で過ごすんだとか!
特にラジャスタンからグジャラート州にその人達が多いため、バスで移動していると国道を真っ白な衣服とマスクをした人たちを見ることができます。
そしてここ、オームカレシュワールにもお寺があったので行ってみました。
ここに行くには、まず渡し船
お寺に入るときは私たちも素足になって、本革のベルトなど動物を殺して作った物も全て外して入ります。
お寺は大理石を基調とし、壁は風が抜けるようなデザインとなって涼しげ。
気温が40度以上となるインドでは、タージマハルを始め多くの寺院で床が白色の大理石で作られています。そのおかげで、床も日光で熱くなるけど火傷するまで高温にはなりません。
部屋のを奥まで進むと、お坊さんがいらっしゃいました。
何も身につけず、毅然とした態度で掃除をするお坊さん。
完全なる裸です。
ちょうど本堂のようなところを掃除していましたが、お祈りに行くと言うのでついていくと
お祈りが始まりました。
もう、お祈りどうこうより、全裸で生活している人が本当に存在することにびっくりしました。
生き物を絶対に殺さないようにという教えで生きていくためには、相当な苦行であることには間違いありません。マスクをするし、全裸だし、移動は徒歩のみだし。
その上、動物に襲われてもこちらから危害を与えてはいけないそうです。なので
襲われたら、逃げるか食べられるかの2択のみです・・・・
あ、逃げる時も虫踏んじゃダメですからね!!!!
もうね、動物に襲われても攻撃しないでいられる日本人はムツゴロウさんぐらいですよ。
虫でも植物でも一つの生命として扱い、徹底して尊ぶその姿には感動すら覚えます。
最近は動物愛護の傾向が世界的にも強く、本革製や毛皮などを使わない傾向になってきています。
日本でも捕鯨がバッシングされたりしています。
正直Gリンピースに怒られても、あんまりミゾヨコ的には響きません。
でも、ここまでやりきってる人に言われたら言い返す言葉も見当たりません。
人間が利便性を追求すると沢山の生き物が犠牲になってるんだなと改めて感じることが多くなってきました。
ミゾヨコも最近では消化機能が衰えて毎食動物性のタンパク質を取ることはなくなってきたし、合皮の製品も使うようになってきました。
豪雪地帯の原住民に合皮のジャケットで寒さをしのげとは言えませんけど、ミゾヨコにはもうこれ以上は買う必要ないかな。(クローゼットにはあるけど)
どこまで彼らに近ずく生活ができるかわかりませんが、自分でよく考えて、その命を大切に使わせてもらおうと思うのでした。
さて、それでは出発です。
今回の移動は600kmほど。
日本だと6時間あれば余裕ですが、インドでは1日仕事です。
これまでもネパールからインド、インド国内の移動で2000km2泊3日くらいの移動はザラだったので、移動することに抵抗はないんです。
ただ、あるとすればやっぱりインド人のうざいこと
オームカレシュワールはかなりのど田舎で、シヴァ神さまの誕生祭でごった返していたというのに外国人は私たち4人だけという希少さ。
4人でいても好奇の視線が痛く辛かったミゾヨコ。
急にひとり旅になり、その好奇の目を独り占めです。
まずバスで隣になったおじさん。
いつものようにミゾヨコの存在から服や所持品まで生まれて初めて見るかのような感じで質問ぜめ。
インドールからアメダバードまでの間の村に自宅があり、帰っているところだそうです。なのでバスから乗り換えた列車までもミゾヨコと同じ。
切符の調達や食事・スナックの購入まで色々世話を焼いてくれとても助かったんですけど、家族に会わせたいと言い出しました。
だから、一緒に列車を降りて僕の家に数日泊まりなさいと・・・・。
おっさん、いい人だけど・・・・・。
このおじさんはミゾヨコの感覚的には金銭や性的な下心は感じませんでした。
ただただ、純粋に子どもに合わせたいんだと思います。
こんな時、昔読んだ本のことが思い出されました。
筆者は同じくひとり旅の女性で、偶然出会ったインド人の家に滞在をしてとってもディープなインドを体験しているんです。
正直、そう言うのも面白そう。
このおじさんも悪い人じゃなさそう。
でも、またよくわからない田舎に連れて行かれ、もしかして、万が一、何かあった時に頼れるのは
自分だけ
よくわからない田舎で、英語ができない人も多い田舎で、レイプが多発するインドで・・・・・・自分の身を守る事ができる?
絶対無理・・・・・・
少し残念だけどお断りすることにしました。
でも、でもね、おじさんどーしても息子や、娘に自慢したいらしくずーっと誘ってくるんですよ。
わかる。わかるよー。
インドのど田舎に、お父さんが外国人を連れて家に帰ったら、子どもたちもさぞかしびっくりするし喜ぶでしょうよ。
でもね、ちょっと考えてみようか。
あなたの娘が一人で旅していて、知らないおじさんについていくって言ったらあなたはどう?
NO!!!!
おじさん、血相変えて即答してくれました。
ほらね、そう言うことなんだよ。
非常に残念そうにしていましたが、ぐうの音も出ない様子。
ごめんな〜。
おじさんは悪くないんだけど、誰か他に友達がいる時に遊びに行きまーす。
と言ってお別れしました。
が、しかしこのおじさん、この後「え?私の彼氏?」くらいのものすごい頻度でメールをしてきて、ちょっと連絡が途絶えたら、私のこととても心配してくれてます。
なんせFacebookのニュースフィールドにまで
「ミゾヨコ いまどこー?I miss you!」
ってね・・・・。
本人には全く悪気はないし、ただ、ただ心配なのはわかる。
でもね、私一人旅なの。
さすがに、アイミスユーはないやろ・・・・。
そんなことインドの男の人に投稿されたらさ
この二人なんかあるな
♥むふふ♥
的なこと、友達に思われちゃうじゃーん。
誤解、誤解です!火がない所に煙がたってるんですよー!!
なんていちいち否定するのもめんどくさいし。
最終的にはさりげなく投稿削除という手段に踏み切りましたw
と、話は戻りまして、列車での移動を続けていたミゾヨコですが
実は新たな問題が勃発していたのです。
おじさんが取ってくれたミゾヨコの席は、寝台列車の下のベッド。
エアコン付きの車両は車掌さんがチケットを見にくるんですが、エアコンのない車両は無法地帯なんです。
それをいいことに、と言うかおじさんは私の引率者気分だったので同じベッドに腰掛けて一緒に話していました。
しかし、おじさんが降りる駅の手前でそこにもう一人男が加わっていたのです。
男はおじさんが去った後も立ち去る様子なし。
私は話すこともないのでさっさと横になり、眠る体制。
すると、男が遠慮がちにベッドに足を上げ、私に足を向ける形で足を伸ばしてきた。
ちっ! 陣地広げやがって!
とは思ったものの、この等級の列車では当たり前の光景。
以前私も人のベットに腰掛けさせてもらって夜を過ごしたことがあるので、黙っておいた。
私のふくらはぎと、男の足がくっ付いて不快だが、まあいいとしようか。
ん?
なんか、貧乏ゆすり?
に、してはゆっくりな感じで、私のふくらはぎと男の足が擦れる。
いつまでたっても止まらないし。
・・・・・・。
・・・・・・。
これ、わざと?
気持ち悪いんですけど。
インド人はもともとパーソナルスペースが狭いから?
前の列車も男同士がこんなにくっついて眠ってます。
でも、だからと言って気持ち悪いのは我慢できません。
ちょっと迷惑そうな感じで体制を変えてみた。
あれ、また足くっ付いてない?
え?
なんか、また擦れてるんですけど。
しかも、撫でられてる?
考えだすとさらに気持ち悪くなったミゾヨコは、おもむろに起き上がり
ミ「足が当たってるんだけど!当たらないでくれる?」
男「おーけおーけ」
しばらく感覚はなくなったものの、こっちがうつらうつら仕掛けるとまた撫でられてる感じ。
これは、もう少しはっきり言わないとダメだな・・・・
ミ「足触るなって言ってるよね!!!」
「おーごめんごめん」
ちっ!ったくもう!マジでうざくなってきたよ。
まあ、いいや。
周りにもこれでここで何か変なことがあったとこが分かっただろうし、これで懲りるだろう。
それからまたしばらくは、おさまっていたのに今度は太ももの裏の変に違和感・・・・・
あいつ、毎回悪気なさそうに謝ってたけど、
絶対、あれ、わざとだ
「触るなって
言ってるだろ〜が!
もうこのベッドに座るな!!!!
出ていけえええええええええ!!!!!」
深夜の真っ暗闇の中、ミゾヨコの怒鳴り声が車両に響き渡りましたよ。
エアコンのない車両は列車の音がうるさすぎてどのくらいの人が聞いたかはわからないけど。
て言うか、この状況。
何故、誰もこの男を咎めない????
それも不思議で仕方なかった。
わざと大きな声で言ってるのに、夜中だからか意外と周りは無反応・・・・。
結局、自分の身は自分で守るしかないってことだな。
おじさんにもついていかなくてよかった。
その後男は別の席に移って行きましたが、結局ミゾヨコは腹が立ちすぎて眠れないままマウントアブーに到着。
そして、新たな災難がまた降りかかってきたのでした・・・・・
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