この記事は2014年に書かれたものですが修正して2019年に更新しています。
2014年の為替は1インドルピー=1.6円です。
2014年7月20日 世界一周316日目
スリランカを後にしたミゾヨコはインドに再入国。チェンナイからランタントレッキングで一緒だったHさんの待つラジャスタン州のジャイプル にむけて二泊三日の列車旅。
K氏が日本に帰ってミゾヨコは一人旅に戻った。久々の小心ひとり旅はなるべく快適に過ごしたかったので、今回の列車は人生初の2Aにした。それはコンパートメントに二段ベッドが2台備え付けられた2番目にいいグレード。いつも使っている三段ベットよりスペースが広いため快適度が格段に上がる。
その下のベッドが私の割り当てで、上が年配のご婦人。クーラーなしの三段ベッドと比較すると3倍の値段だけあって、乗客のもそれなりになってくる。年配で英語が話せるあたり、インドの上流階級の人なのは間違いない。そのご婦人にベッドを換えてほしいと頼まれた。年齢からしてもハシゴをよじ登るのは少々キツそうだったので換えてあげることにした。
たわいもない話で夜が更けいき、それぞれが備え付けられている毛布とシーツをセットし寝床を作る。ご婦人は早めにご就寝。その為私も上のベッドに移動し寝る準備を始めた。
その時になってクーラーの冷風が直に当たって寒そうだと言うことに気がづいた。とりあえず用意していた服を全て着てブランケットにくるまってみた。しかし温度設定をさらに下げたのか冷風はさらに強くなり、それぐらいの装備では太刀打ちできず眠るどころではない。
めっちゃ寒いんですけど。
快適に過ごしたくて高級列車に乗ったのに、むしろ寒すぎて不快。
出来ることなら誰にも迷惑かけずに快適に過ごしたいと言う思いで準備しているのに、こういつもうまくいかない自分に腹が立った。が、仕方ない。通りがかりの係員にブランケットを追加でお願いした。
イエス、イエス
何この投げやりな返事。そしてその態度が示していた通り、すんなりくる気配がない。
1時間ほど待っても、室温が上がることもブランケットが追加でくることもなく、ただ暗闇で凍えるばかり。
たまりかねて係員を探しに行くと、彼は追加のブランケットはないと言う。
「だったらそう言いにくるのが筋ってもんでしょう」なんて言うのは日本の常識。2Aに乗ってもこんな適当な扱いかと思うとまたさらに腹が立つが、とにかく交渉。乗車率はよく見積もっても6割ほどなのにブランケットが足りないなんてありえない。空いているベッドを指差し、ブランケットはあるはずだと詰め寄った。ミゾヨコの気迫に根負けしたインド人が渋々開けたクローゼットには、当たり前のように山積みのブランケット。ぷんぷん顔でブランケットを掴み取ると、今度は賄賂を要求された。
正直者にはホイホイ金の斧を差し出すミゾヨコですが、この心情で彼にあげれるもがあるとすれば、それは拳骨(げんこつ)とか鼻くそくらいしか思いつかないので無視。そして部屋に戻ってすぐ就寝。
2014年7月22日 世界一周318日目
無事に二泊の列車旅を終えジャイプル に到着。「トニーゲストハウス」のトニーのところへはこれで3.4回目?の宿泊。
観光についいてはこちら。
部屋の掃除は正直行き届いてはいないけど、落ち着くところ。ここへ来た目的はHさんとの合流と、マクラメの為の材料を買うこと。
マクラメとはロウ引きの糸を使って結んだり編んだりすることでアクセサリーやバッグを作ること。
Hさんが作り方教えてくれることになっています。
実はトニーの本業は石屋さん。茶色やカーキを4本ほどと、ペンダントトップにする石を購入。ちなみに日本からの買い付けの人も沢山来るそうです。その中のひとりが、トニーさんにあげたブレスレッドがこれ。
悲しいかなセンス皆無のミゾヨコですがこんな素敵な作品が作れるようになりたい。
デリーでの予定は、二泊して壊れかかったパソコンのプラグの購入をする事としっかりお肉を食べること。次に行くリシケシでは肉や卵が売られていないベジタリアンの地域だからだ。
せっかく再会を果たしはHさんはと言うと、タージマハルにいくと言うのでリシケシで再会を約束してとりあえずお別れすることとなった。
夏真っ盛りのデリーは湿気を伴う40度近い気温。エアコンはもちろんのこと、買ってきた水も冷やしたいので冷蔵庫やテレビも付いていることを条件に宿を探した。部屋でしばらくゆっくりしていると、wifiと冷蔵庫が動いていなことがわかった。フロントに見にくるように伝えると、使いの者を送ると言うので待っていたが一向に現れず。夕方になり、もう一度下に降りるとフロントの女性が通りがかった従業員に指示していたのでまた大人しく部屋で待っていた。
その後も何度か部屋に見に来るように言ったものの、一向に来る気はなし。しかしこちらが外出中に勝手に部屋に入られるのは防犯上、絶対避けたかった。そのため辛抱に待っていたのだが、結局それからも待ちぼうけをくらい、電源プラグを探しに行くことができぬまま1日が終わってしまった。
2014年7月25日 世界一周321日目
もちろん朝から気分の悪いミゾヨコ。なんの為にいつもより多めに払って良い宿に泊まったのかわからない上、昨日の宿の従業員の対応はひどすぎる。大きなホテルならまだしも、15部屋ほどのシーズンオフのホテルで忙しかったとはいえないだろう。こちらに落ち度はないと思う。すぐに改善できないのであれば部屋を変更するようにフロントに詰め寄った。すると、また同じ従業員を捕まえ、私に付いて部屋にいき不具合をチェックするように指示を出した。
ったくもう、ここまで言われないといけない従業員ってどうなん?ムカつくけど仕方ない。イライラしながらまた部屋に戻り、後ろを振り向くと
従業員がいない・・・・。
え?さっきまで私の後ろ歩いてたよね?
なに?
ギャグ?
逃げ、、、、た?
そんな訳ないよね。きっと必要な工具でも取りに行ってんだよ・・・・ね?
そしてまた、待つこと30分。
全く、来る気配なし。
もうここまでくると、理解不可能。
部屋と彼が磁石の(+)同士で絶対に近寄れない仕組みとかあるの?それとも、私が部屋であのインド人を襲うとでも思われた?
こっちの思考もわけがわからない方向へ暴走する。
なんでこんな扱い?部屋の設備が壊れているのをわかっていてこの部屋を売ったのか、それとも純粋に従業員がこの部屋に来たくない理由があるのか、そもそも一体なんで私は結構な料金を払ってまでこの宿に泊まり、つまらない理由で足止めをされなければいけないの?私の中のカーリーがものすご地響きを立てながら君臨した。
「おめーんところの従業員どうなっとるんや?くるくる言うて全くこんやないか?失礼にもほどがあるわ。冷蔵庫もwifiも使えんままやないか!一体どれくらい貴重な私の時間を無駄にしたら気がすむんや!!この大嘘つきがあああ〜〜〜〜!!!こんなんじゃ私絶対にお金払わんからな!!!!」
フロントにチェックアウトの客がいるとか関係なしにミゾヨコの説教がほとばしる。
すると焦ったフロントの女性は別の男を呼んでようやく部屋を見てもらうことができた。
色々調査した結果、朝9時になったらお店が開くからそれまで待ってほしいと言う。
腹は立つけどまだ朝の8時。気を取り直し、朝食を食べてゆっくり用意する。もちろん9時になっても何も音沙汰なし。10時になり、再び聞いてみる。すると男は「パスワードの問題だったみたいだから2階にいる客に聞いて」と言う。
は?
私が?
どうやって?
て言うか、フロントにパスワードの控えがないってどう言うこと?
意味不明すぎて自分が地球にいるのかどうかも怪しくなってきた。怒る気もなくなり、とりあえず男にパスワードを自分で聞きに行くように仕向けた。
すると渋々ながらも気だるそうに二階に行き、客室をノックして本当にパスワードを聞き出していた。
なんなんだこのホテル。
その後、部屋に修理がやってきてコンセントを変えたが、まだ別のパーツが必要とのこと。そして例外なくまた待たされた挙句、一向にくる気配がない。テレビはどうでも良いが冷蔵庫は直ってほしい。だがこの時点ですでにお昼はすぎていた。何としても今日中にPCの電源コードを買わないと、リシケシに行けない。もうこれ以上無駄に待たされるのはごめんだ。
どうせ修理が帰ってくるはずもないのでインドの秋葉原と呼ばれるネイループレイスに向かった。
地下鉄のバイオレットラインでカーンマーケットよりさらに数駅行ったところにあるネイループレイス(Nehru Place)。
古い雑居ビルのなか小さな電気屋がひしめき合う。気を抜くとすぐ迷子になる構造。ASUSほどの大きいメーカーがどうやったらgoogleマップに間違った地図を載せることができるのか。地図を頼りに必死で代理店を探すミゾヨコ。周りは例外なく生粋の嘘つきインド人だらけ。自信ありげに説明する者、あからさまに適当な者、代理店の存在を否定して自社の中古品を売りつけようとする者。昨日からのインド人との摩擦で精神的な消耗も加わり、ほとほと疲れた。結果どうせ騙されるなら話しかけてくるインド人より、自分が選んだ店にしようという考えに至った。そしてやや小ぎれいな個人のお店で1時間ほど待たされ、店員がこっそり正規店に行き買ってきたであろう正規の電源ケーブルを日本の定価の2倍以上の値段で買うことになった。
「インドの秋葉原で買い物をする」というアクティビティーとしては面白い経験だったが、今度何かが必要なら迷わずebayかAmazonで買おうと心に誓ったミゾヨコでした。
そして翌日も、もちろん冷蔵庫もテレビも使えないまま。腹の虫も治らないので、せめて今日のチェックアウトの時間を延ばす交渉をした。しかし、やっぱりここはインド。自分達に非があったのなんて1ミリも感じてないのか、毅然とした態度で無理だと言い出した。そしてまたカーリーの出番がやってきた。
「大体さ、あんたのおかげで私が何時間この部屋で待たされたと思っとんや!?待たされた挙句、結局直ってないし。それでよくそんなことが言えるな?!」
すると今更また修理に取り掛かる。チェックアウトが迫ったこの時間に、正直どうでも良いことではあるが仕方ない。すると・・・
あれだけ電源がはい入らないと大騒ぎしていた原因は、廊下にある部屋の主電源が切られていただけであった。
なんやそれ?一体なんなんだこの宿は?もしかして、宿の本当のオーナーや従業員はどこかの部屋にでも監禁されていて偽物の奴らが営業してたのか?
そうでもない限り、この宿の従業員といい、オーナーといいい、本当このホテルをやっていく気があるのだろうか。それとも、これは私だけに与えられた特別な幻?
憤慨しまくった挙句、こんな結末。当然、腹の虫が治るわけなどなく4時まで宿に居座り夜行バスでリシケシへと移動するのでした。
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