この記事は2014年に書かれたものですが修正して2019年に更新しています。
2014年の為替は1インドルピー=1.6円です。
2014年8月26日 世界一周353日目
初めてバイクをレンタルし、インドの秘境を大冒険したミゾヨコ。ヌブラバレーから帰ってもしばらくは興奮が冷めなかった。
バイクはボロボロだし、道は悪いし、平気で車は突っ込んできて危ないし、寒いし、他にも色々と過酷でつらいけど、バイクで荒野を駆け抜け風を感じるこの快感はたまらん。
ラダックの観光したい所はパンゴンレイクとザンスカールを残していた。どちらもまたバイクで訪れたいのは山々だが、レンタル代もバカにならない。とりあえず、他の交通機関を探すべくバス乗り場まで行ってみることにした。
ザンスカールの途中にあるラマユルまでのバスは週4回あることがわかった。ザンスカールまでのバスは、カルギルというところまで行ってからまた探さなくてはいけないそうだ。もたもたしていると、今度はマナリまでの陸路が雪で閉鎖されてしまうので、時間的に厳しい・・・。手っ取り早くツアー会社のツアーに参加するのが簡単だけど、これもまた出費がかさむ。
ゲストハウスに帰ると、食堂にフランス人のおじさんがいた。彼はザンスカールから帰って来たばかりらしい。行こうか迷っていることを話すと、すごくいいところだから絶対行ったほうがいいと言う。そう言われると、やはり何としても行ってみたい。ただ、ザンスカールまでの道はヌブラ谷のそれよりもさらに悪路となるため、やはりバイクで行くのは少し勇気がいる。
そこでJさんにタンデム(二人乗り)で連れて行ってくれないか聞いてみると、許しがでた。そしてミゾヨコとJさんは、二人乗りでザンスカールへ行くことになった。
今回はJさんのバイクの後ろに乗せてもらうことにしたミゾヨコ。迷惑はかけられないので最小限の荷物をパッキングしました。そして次はヘルメット。前回バイクを借りたところに聞きに行くと、なんと無料で貸してくれました。
バイクを返却するとき、いろんなネジが取れていたり、あえてパーツを取ってJさんのバイクに付け替えたりした。それだけに優しくされるとちょっと罪悪感があるけど、まあいっか。
今回は自分で運転しないのでつまらないけど、後ろで写真を撮る余裕もできたからそれは嬉しい。そしてJさんとガソリン代を割り勘にするため、交通費が安いのが助かる。
ミゾヨコの一行はアスファルトに舗装された道をレーから西に走り、カルギルを目指しました。
レーから少し離れたところ。もうすでに広大な景色。
ミリタリーの車。中に乗っている人を見ると、ターバン率が高かった。
この道は州を横断する主要道路なだけあって、とても走りやすい。
ヌブラ谷の山々は灰色だったけど、こっちはベージュ色が混じっている。
クネクネ道を通っていると、突然バスの事故現場らしきところに遭遇。
ん?事故したて?負傷者は?
おそるおそる近づいてみたけど、人が乗っている様子はなし。周りのタイヤ痕からすると、この横を何台もトラックが迂回している。
おそらく持ち主達は必要な手当を受けているだろうけど、こんな僻地で絶対事故はしたくない。自分でバイク乗ってこなくてよかった。
そして一行はさらに西へ進む。
お茶屋で休憩。
都会から来たインド人バイカーも沢山います。
まるで「月の世界」と言われるラマユルで少し休憩。ここでは帰りにゆっくりすることにしてまた先に進みます。
5時間ほどかけてカルギルに到着。ここまでの道は整備されていて運転はしやすそうだったけど、後部座席の私にとっては地獄。小さいシートにミゾヨコの全体重が集中し、かなりきつい。
ガソリン補給中。
そこから先、ザンスカールまでは未舗装のガタガタ道をひたすら走る。バウンドするおかげでお尻が浮く時間ができ、痛みがマシになった。
今日はここから1時間ほど走ったサンクー(sankoo)村にあるというツーリストバンガローに泊まる予定。
だったんだけど、行ってみると今日は地元の学生達で貸切になっていた。仕方ないので次の村まで進むことにしました。
こういう時、時間に余裕がないと焦る。次も満室だったらどうしよう。こんな僻地に泊まれるところがあるんだろうか・・・・。
じゅれー!(こんにちは)
井戸端会議中のおじさん達。この辺りに泊まれるところがあるか聞いたけど、全く伝わらず(笑)
さらに進むと、ぼーっとしていると見逃しちゃいそうな検問所を発見。
登山するときの入山届と同様で、何かあった時に私たちの足取りを残しておくことは絶対必要。
日暮れまであと少しとなり、焦る一行。隣の村まで24キロだけど、なんせ道が悪くて時速30キロ出せればいい方。
畑で手伝いをしていた子ども達が、遠くから何か叫びながらこちらに走ってくる。あれ?じゅれ(挨拶)って言ってない。なんて言っているのかよく聞くと
「マネー!チョコレート!!ペン!!!!」
どうやら珍しくて挨拶に来たわけではなく、何か物をもらいたくてこっちに走って来ているよう・・・・。あはは。
パニカル(panikhar)に到着。バンガローは人気がなく閉まっているようで焦ったけど、営業していた。
部屋も清潔でよかった。寒いけど。
食堂でザンスカールから帰ってきたインド人と話をした。どうやら明日の方が道が悪くなるらしい。結果的に今日は予定より前に進めてよかった。不安もあるけど、ここまできたら楽しむしかない。
2014年8月28日 世界一周355日目
今日はラングダム(rungdum)とう村を目指して出発。その前に少しずつ漏れているエンジンオイルを補給。
道がずっとデコボコで疲れる。運転している方が疲れるだろうけど。
ヌブラ谷にも似た景色。直線で区画整理のされてない畑が、おとぎの国にいるような気にさせてくれます。
じゅれー!
どうやら井戸端会議中のおじ様たちです。表で暇を潰しているのはいつだって男性。この地域の女性はいったい何をしているのか。
一行はさらに荒野を進みます。するとひらけた草原に中学生くらいの子どもが沢山いてキャンプをしていました。
遠巻きに眺めていると、先生が話しかけてきてくれてチャイをご馳走になることになりました。
右の茶色いジャケットの人が学校の先生。
Jさんいわく、有吉がものまねをする哀川翔にそっくりだそうです。
そしてその横で生徒が突然野生(?)のロバを捕まえて、いきなり乗馬し始めた。
ワイルドやわーーー!しかも、ロバに乗ってる男の子のどや顔度はかなり高いと思われます。
で、翔さんの娘さんも学生さんだそうで真ん中の美人さん。
さっきの団体から外れて女の子が3人で歌って踊ってます。なんだか楽しそう
チャイをごちそうになってお別れです。お尻が限界を迎えて気持ちもへこんでいたけど、だいぶ復活しました。
時々見られるゴンパ
道は完全にゴロゴロ石の道とデコボコ砂地のみになります。
インド人の観光客も自家用車でザンスカールに行きたかったようですが、この道を4WD以外で来るのは無謀・・・・・・。引き返して帰って行きました。
峠を一つ越えたら、次は草原が広がっていました。そこにポツンと一件あったお店。キャンプとレストランをやっているのは、冬場はチャダルトレッキングのガイドをするという素朴な男の子。
夏はラングダム村からここに来て商売をしているそうです。
ラーメンとチャイをいただきました。特に沢山会話をしたわけではないけど、一生懸命もてなしてくれているのが伝わってきてほっこりしました。
景色はさらに開け、大きな平原をひた走る。曇りがちだった景色が青空が見え始めてとても綺麗。
今日の目的地に到着。ここにもトラベルバンガローはありましたが、全く人の気配がなく泊まれそうにない。
レストランで聞いてみると、近くの宿を紹介してくれたので見てみることにしました。
ちょっと人見知りの男の子
宿は少し離れているということで、Jさんがお兄さんと子どもを引き連れて部屋を見に行ってくれました。
この家族は夏場はここで働いて、冬の間はラダックに帰るそうです。
部屋は、宿泊用のものと言うよりは応接間?
壁に沿ってマットレスが引かれているので、この部屋で合計6人宿泊可能。宿というよりはカウチサーフィンしているみたい。
シャワーなんて設備はこの集落にはなし。宿の人なんて、ここにいる夏の間は1回もシャワーを浴びないそうです。そして高床式のトイレの下には豚小屋。人間の排泄物を栄養源にして豚が育ち、やがて人間の栄養源としてまた食べられていくんですね。食物連鎖のサイクルが最短すぎるわ(笑)
この辺りに住んでいる人は家畜を放牧して生活しているみたい。ここまで田舎だと人間関係には悩みそうにないけど、孤独すぎて死にそう。
アイラインの入った牛
毎日羊に話しかけて寂しさを紛らわすのだろうか。
今日は早めに宿に着いたので、日暮れまではまだしばらく時間がある。最近運動らしいことをしていないので、5キロほどランニングしました。すると通りがかりの(と行っても数キロ先を走っていた)ジープが、走っているアジア人にびっくりして助けに来てくれた。この辺で走っている人なんていないから、何か大変なことが起こったと思ったらしい。迷惑かけてしまった。
標高3000mはあるので全く体が動きませんでしたが、数キロ体を動かせたことが満足。
場所:北インド ラングダム村周辺
距離:5km
路面:小石が多い砂地
安全度:人がいなさすぎて治安も良い。
備考:標高3000mなので日差しが強い。
2014年8月29日 世界一周356日目
昨晩はランニングの後にレストランでご飯を食べた。インド・ネパールを旅すると定説になりつつあるのが、この2カ国間ではネパール人の方が断然調理がうまいということ。
あのレストランはオーナーはネパール系の顔立ちなのに、中で料理をしているのはいわゆる出稼ぎ系インド人。嫌な予感はしていましたが、悲しいことにまんまと的中。見た目はちゃんとした料理に見えるのに、味が全然しない。それもそのはず、追加で調味料を頼んだら、キッチンにマサラ数種類と塩と油と中華系の醤油なのか黒い怪しい調味料しかないことがわかった。この人はトゥクパというネパール料理を食べたことはあるのだろうか。これでよくコックが務まるなとむしろ感心するレベル。インドの果てに来ても、やっぱり気分を害してくるのは適当インド人。
今日はそれを教訓にポテトフライを朝食にした。やっぱりデフォルトのカレー味だけど、昨日のネパール料理よりはよかった。
腹も満たされたところで早々に南をめざして出発します。
なんとも言えない山々の色に青空がはえる。今回は運転していない分、周りの景色が楽しめてこれはこれで楽しい。
カルギルからザンスカールまでの道で一番高い峠に到着。
標高4200mの峠。すごいんだけど、ヌブラにいく時には5300mだったから感動はなし。
それをすぎると右手に見えてくるのがアイスフィールド、ダラン・ドゥルン氷河のビューポイント。
インドは暑いイメージが強いけど、こうして万年雪が残るところもある。
多くのインド人の観光客は、これを見にここまで来ていました。
そして長いくだり坂。一気に降って川に沿って奥へ進みます。
お昼前ごろ、トラックの近くで一休みしている家族がいたので挨拶をしたら、チャイをご馳走したいというので甘えることにしました。
するとおもむろに調理器具を取り出し、川に水を汲みにいく女性。最初はギョッとしたけど、考えようによっては「ヒマラヤの美味しい雪解け水で作るチャイ」を飲めるのだからありがたい。
昼食も同時に作るらしく、お米に混じった小石を取り除く娘たち。
お父さんはご飯も食べていけって言ってたけど、後何時間かかってご飯ができるのか・・・・・。
チャイを待っている間にJさんはお父さんにトラックの中を案内してもらいました。するとお父さんはミゾヨコとJさんが夫婦かどうか聞いてきたそう。友達だとういうとニヤニヤして「結婚してなくても●●Xできるのが羨ましい」みたいなことを言ってきたそう。
ちょま!
やってねえよ!(笑)
でも、インド人にはこういうの理解できないんだろうな。Jさんとミゾヨコはその後も旅仲間としていろんな国で再会を果たしましたが、寝食共にしてお互いの毒ガス級のオナラは臭いだことこそあれども(あくまで事故です)あっちは交わったことがありません。
でもこういうおっさんが一緒に旅してくれるだけで、周りは勝手に勘違いしてくれてその手の厄介ごとがないのはありがたい。
話は逸れましたが、私もそのトラックの中を見せてもらいました。
天井が異常にハデ。
フロントガラスの周辺も装飾がほどこされ大変なことになっていました。
そして一行はチャイだけいただき先を急ぐことにしました。
荒野を進むと、今度は自転車の欧米女性が休憩中。
デリーやバラナシ近辺よりは安全だと思うけど、勇気ある女性です。
今日の目的地であるパダム(padum)まで後30キロの集落で、昼食を食べるレストランを探した。
通りがかりのおじさんに食べるところが無いか聞いてみると、うちにおいでというので家にお邪魔することに。こういうウルルン滞在記的なことも、女一人だと中々勇気が出ないのでありがたい経験。
お父さんはほとんど英語ができないけど、なんとか身振り手振りで交信。どうやら息子がいて街で学校に通っているらしい。
お父さんが作ってくれたベジタブルカレー。優しい味で美味しかった。
思い出に写真を撮り、この後デリーに帰って現像して送りました。
家からすぐ出たところからの景色。
そして目的地に着き、モンブランゲストハウスにチェックイン。ザンスカールに到着したミゾヨコ一行でした。
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