ペルーの通過は1ソル=30円です
空港から旧市街へ
2016年3月29日 世界一周685日目
予定通り、コロンビアからペルーの首都リマに到着する。ターンテーブルからピックアップした荷物を少し整理して、バス移動がしやすいようにパッキングし直す。空港ロービーに出るとタクシードライバーの客引きが何人か詰め寄ってきたが、とりあえずインフォメーションに行ってみた。
バックパッカーらしく安い方法で市街地まで行きたいと言ったのだが、スペイン語が喋れないならバスに乗らないほうがいいとインフォメーションの人に言われた。タクシーの値段を改めて調べると、50〜60ソル。通過はペルーに入ってソルとなり、1ソル=30円ほど。空港からリマの中心街まで1800円くらいの計算になる。空港の正規料金でこの程度だから本当はもっと安いはず。しょっぱなから豪勢にタクシーで消費するのも気が引けるので、次のフライトでタクシーを使いそうなバックパッカーがいたらシェアさせてもらいたい。そう思ってしばらく待っていたのだけど、タクシーに乗り込むのは小綺麗なビジネスマンが多く、シェアの話なんて出来なさそうだ。
この調子だとシェアタクシーは難しそう。まだ昼間なので計画変更してローカルバスに再チャレンジすることにした。再びインフォメーションに行くと、先ほどとは違う人が出てきて行き先を書いた紙をくれた。
少し両替もした。これでバス移動の準備は整った。あとは出たとこ勝負。キイエロ、イール、アキ。ここに行きたい。もしもの時はアヨーダで助けて。きっとこれで伝わるはず。少しドキドキしながら出発。
標識にそって空港を出て右に行くとすぐにバスターミナルがあった。バスを待つ客と停車するバスに紙を次々と見せ、目的地を確認する。先住民の顔立ちをしたバスの係員が乗れと手招きする。乗客にも紙を見せると頷いてくれたので本当に間違いはないようだ。空港から目的地のセントロまで4ソル。
狭いバンの中、荷物を抱え携帯の地図を片手に現在地を確認しながら乗客を確認する。空港で降りてきたような小綺麗な格好の人など全くいない。少し不安ではあるが、自分も十分こちらに馴染む格好ではある。みんな私のことなど気にする様子はなく景色を眺めている。窓に植物のほとんど見えないベージュ色の山があった。
どこの国でも小高い山があれば景色一望する観光名所だっりする。でも南米でこの手の名所の麓はスラム街が多く、外国人が行くとカメラなどの強奪された話しが多い。
ペルーの大地はベージュ色だった。山も道も川もベージュ。
バスはマヨール広場か5分ほど歩いた川沿いについた。通りはさほど人影はなく、少し寂しい印象。しかしバスの乗客は当たり前のように通りを歩き出し、警戒する様子もない。私は道を確認しながら同じ方向を歩く彼らを追うように歩いた。
近くに目星をつけていた宿があったのだが、地図を見ても全く辿り着けない。どうやらガイドブックの情報が古く、宿は閉店したようだった。
バスを乗り継げば日本人宿もあったのだが、そこまでの道のりの治安があまり良くないと聞いていた。それに明日には移動する予定だ。近くに運よくシングル用の部屋が空いている宿を見つけたのでチェックインする事した。
シャワーを浴びて一息つくと今度は散歩に出かけた。
宿の目の前にはサンフランシスコ修道院があり、シスター達が歩いている。
今日はサッカーの試合があるらしく、マヨール広場はでユニフォームを着た人大勢の人が試合の成り行きを見守っている。
警備が厳重だと安心する。
私はと言うとリマの旧市街を少し歩いて夕食を探すことにした。
記念すべきペルーでの初ご飯なのだが、今日は悩みに悩んで中華にした。ペルー料理がいまいちピンと来なかったのだ。ペルーは長く滞在するつもりなのでまた別の機会にした。ここでも試合中継が流れている。
チャーハンセットは330円(11ソル)。それと、コーラなのに黄色いインカコーラ。ペルーの国民飲料である。味はコーラとは程遠いが、普通。
中国人は世界中どこにでもいる。だからどこの国でも食べるものに困ったら中華料理に行けと言うのがミゾヨコ旅の知恵。日本食なら雑に再現されると口に合わないが、中華ならだいたい許せるのだ。しかし今日は珍らしく微妙だった。どのくらいかと言うと、インドの秘境でインド人に作ってもらったチベット料理くらい。なんとい言うか、色だけ真似したんじゃないかと言うほど味がない。
外はすっかり暗くなっていたが、繁華街だけあって一人歩きでも恐怖は感じなかった。
ボリビアに向けてバス移動開始
2016年3月30日 世界一周686日目
10時頃までゴロゴロしてボリビアまでのバスを探しに出発した。旅行会社で調べてもらうと、残り5席あることがわかった。しかしここで予約は出来ず、直接バスターミナルまで行ってチケットを押さえる必要があるとのこと。急いでタクシーで向かう(8ソル)。
CIVAのバスターミナルに着くとラテン感満載のガードマンが笑顔でお出迎え。
チケットはリマからプーノまで110ソル。距離にして1300キロ、丸一日の道のり。
南米はバス会社がいくつもあり、もっと安い会社もある。安い分だけセキュリティーは甘くなるので、ここはお金で安全を買う。出発までに時間があったので、昼食ををとるために隣接した屋台に行ってみた。
イカのフライと魚のマリネ。主食は米ではなく芋。パクチーがほんのり効いて美味しい。一皿10ソルだから300円、バスターミナルの横だから水も100円近くする。インドが長かったせいで高く感じる。ペルーは南米の中でもコストが安い方だと聞いているで、アルゼンチンやチリに行くのが今から心配になる。
待合室の椅子はなんとバスのシート。幅も十分に広く座り心地がいい。
時間が来ると厳重なセキュリティーチェックを終えてバスに乗り込む。乗り込んだら乗客一人ひとりをまた写真に撮ると言う厳重さ。
出発してしばらくすると左手にアンデス山脈。
色はやはりベージュを基調としている。リマは砂漠気候に分類されるらしい。同じ地球でも大陸が変われば景色も変わる。遠路はるばる南米に来た実感が湧いてくる。
右手には太平洋が広がった。
ぽつぽつとある小さな漁師町。こんなのんびりしたところで一泊してみたいと思った。しかし津波が起きた時の避難場所もついでに探してしまうのは、地震大国出身だからだろうか。
バスはしばらく平地を南下すると、どんどんアンデス山脈に吸い込まれるようにして東に向かい標高を上げていく。
この1日で海抜150メートルから4800mの峠を超えて3800mのプーノまで走る。富士山ですら高山病で苦しんだので不安はあるが、薬も用意しているしどうにかなるだろう。
バスでの食事も美味しかった。夕飯は牛肉の炒め物とご飯。
2016年3月31日 世界一周687日目
昨晩はわりとすんなり入眠できた。標高が上がって酸素が薄くなったのか、朝方4時に目が覚めた。高山病の症状はない。外も真っ暗だし、またウトウトしているとあっという間に朝食の時間になった。朝はマフィンとクッキーとオレンジュースが配られた。
一番後ろの席が空いたので移動し、のんびり景色を眺める。見渡す限りの草原。ここは天国か?
山脈地帯の平原は海岸よりも湿気を含んでいるのか、標高は高いが草原が青々としている。
通りゆく村には時よりKEIKOと書かれている壁が目に付く。不思議に思っていたが、のちにペルーの元大統領がフジモリと言う日系ペルー人だと知る。
KEIKOはその娘で、政治活動をしているそうだ。日系人が海外で活躍しているのは誇らしいことなのだが、そんなことばかりではない。そういう体験を後にすることになる。
プーノには昼に到着した。バスターミナルをウロウロしていると、明日のラパス行きのバスが簡単に見つかった。今度は距離が短いため30ソル。ペルーからボリビアへ国境越えもする。
一気に富士山の標高に達したが、普通に生活しいている分には息切れもしない。乗合タクシーに4ソル払って宿まで行き、トイレ別の宿を20ソルでとることができた。
ペルー名物
ひと段落して、Hさんおすすめのセビッチェなるものを探しにいく。ペルーの名物料理らしい。早速注文すると、昨日バスターミナルの横で食べた同じようなものが出てきた。
なるほど。セビッチェとは魚介類をレモン果汁でマリネする料理で、確かにあっさりしていて美味しい。どうやらこの国では芋ととうもろこしが多用されるらしい。
リマは首都だけにスペインからの移民系の人が多くいたが、プーノは田舎だけに先住民が多い。そして、驚くほどに女性のフォルムが皆同じで可愛い。
腰まである長い髪をおさげにし、フリフリのスカートに帽子。これが基本で、あとは地域が変わるごとに若干のモデルチェンジを繰り返すことになる。
一旦宿に帰って洗濯物の乾き具合をチェックしたり写真をアップロードしていたら、Wi-Fiが止まってしまった。再び外を散歩することにした。
ハンバーガーひとつ2.5ソル。手のひらほどの大きさのパンは5つで1ソルだった。
卵が7つで60円。
南米ひとり旅に対する漠然とした恐怖を抱えながら、ペルー3日目が終わった。夜でも治安がいい場所では危険を感じなかったし、今までとは目に入るものがま新しくて楽しい。
明日はボリビアに移動するため、早めに就寝する。