エベレスト街道から帰ってきたミゾヨコ一行。一休みして今度は西インドのジャイサルメールを目指すべく準備を始めました。
1日目
2014年11月30日 世界一周451日目
「ん?なんかバイクの様子がおかしくない?」
私はJさんと一緒に、宿屋の駐輪場に放置していたバイクを眺めていた。
今日からK氏と共にインドに向かって出発する。お別れの挨拶に来たJさんと一緒にバイクに荷物をくくりつけていたのだが、何処かがおかしい。よく見ると、スタンドのバネとエンジンあたりに付いていたカバーが取られていた・・・・。ラダックでレンタルバイクのバネをJさんにあげたのはこの私だが、ここに来て自分のバネも取られてしまった。やはり人にしたことは返ってくるのだと反省。まあ、運転に支障がないパーツなので良しとする。
しかし、この荷物・・・・
二人分の荷物はさすがにかさばる。これでまた2千キロ走るのかと思うと少し心が重い。
この荷物で後ろに人乗せて運転するのは、私の運転技術では怖すぎる。K氏にしても同じようで、ここから先はK氏の運転で旅が進むことになった。
山岳ガイドのアレックスやJさんとお別れをして、ミゾヨコ一行は旅立つ。
大渋滞で排気ガスが立ち込めるカトマンズの街を抜けるには、2時間以上かかった。そこからポカラと国境への分岐までは大型トラックやバスなどが多い。右手に大きなヒマラヤ山脈のパノラマと、その山々からの雪解け水が道に沿って大河を形成していて最高のドライブコースである。
運転の責務を無くしたミゾヨコはひたすらこの景色を楽しむ。今日はポカラと国境への分岐まで行って終了。
2日目
2014年12月1日 世界一周452日目
ゆっくり起きて、朝11時に出発する。今日もあんまり進めず、インドとの国境に付いたのは夕方に差し掛かっていた。
ここでネパール出国に関してひとつ不安なことがあった。実はバイクで入国した時に、バイクの税金を1ヶ月分しか払っていなかったのだ。というか、国境では1ヶ月以上の税金はどういうわけか払うことができないシステムなのだ。
Jさんの話では、ネパール国内で支払う手段もないそうだ。その上、何かのきっかけで税金を払っていないのがバレた旅行者の中には、バイクを没収されたものもいるらしい。しかし、ほとんどの場合は1ヶ月分の税金だけ払い、その後の税金は支払うことなく出国できるそうだ。
そして同じく、私も税金を踏み倒す方針で賭けに出ることにした。ネパールに入国したのが10月27日なので数日分のこと。ビザはちゃんと延長しているので、見つかったとしても賄賂でなんとかなるだろう。
初めにK氏にバイクと一緒にネパール側に待機してもらい、ミゾヨコのみ出国。この時点でバイクの話には一切触れられなかった。インド側に入国するところで荷物が少ないことを怪しまれる。荷物とバイクはネパール側で待つ友人と共にあることを伝えると、K氏も呼びよせるように言われる。パスポートも没収されてしまったので仕方なくネパール側に帰り事情を説明する。
結果的に余計と怪しい行動をとってしまったが、K氏のネパール出国もトラブルなく終了。インドに入国することができた。ネパール側からバイクの税金の徴収の話はなかった。
ところが、インド入国を済ませてひと息つく暇なくインド人がすり寄ってきた。
「このバイクは税金払った?」
一瞬、ドキッとした。
しかし、冷静にその男を見てみると、ヨレヨレのシャツに胡散臭い喋り方で、ミゾヨコのアンテナは「ただの詐欺師」を示していた。
「もちろん。で、あんた誰?」
自信たっぷり毅然とした態度でそう返すと、男は途端にへこへこした態度に変わった。
「このバイクを7万ルピーで買い取らせて欲しい」
今は面倒な書類の届けがオンラインに変わり名義変更が簡単になったらしい。本当か嘘かはわからない。そもそもバイクを売るつもりもないので無視したが、インドに入るとこうして怪しい人が増えるのをあらためて実感した。
インド側に渡ると、ごみが一気に増える。
もう夕方に差し掛かっていた。次の都市ゴラクプールまではあと2時間以上かかる。前回この国境で泊まった宿はK氏には汚すぎたようで、宿を探しながら進む。通りがかりの警察官に宿泊できそうな場所を聞いたが全く見つからず、訪ねて入った仏教の宿泊施設で泊めてもらえるようになった。
10台以上のベッドが置いてある部屋を貸切で一人400ルピー。風呂は水のみだがご飯は付いていた。
だだっ広い食堂に行くとおばちゃんが談笑中。
しばらくすると私たちの食事を運んでくれました。豪華で美味しかった。
3日目
2014年12月2日 世界一周453日目
朝から出発。霧が深すぎて、しばらくはゆっくり走る。
そして、インド人の運転マナーの悪さにだんだんK氏の機嫌も悪くなってくる。急な割り込み、幅寄せ、クラクション。日本では絶対にありえない行為に時折K氏も怒号を放つ。
文字認識率が低いインドでは、運転免許の制度自体があやふやで誰でも乗れてしまう。そのため、全くルールを知らない人がそこら中にいるのだ。ただでさえフットワークの悪いバイクなのに、そのうえ後ろに人を乗せてのドライブは相当ストレスだっただろう。
今日の目的地はカンプルだったが、諦めてその手前のラクナウで宿を取ることにした。
時間も少し余裕ができたので、少しいいレストランで食事を取ることにした。トリップアドバイザーで検索した「Tunday Kebabi」に行った。安くてとても美味しかったけど、イスラム教のレストランだったようでアルコールがなかったのが残念だった。
4日目
2014年12月3日 世界一周454日目
今日はアグラまで行く予定で出発。
道沿いのチャイ屋でおもむろに現れた蛇使いの少年。
途中、人だかりができている。交通事故にで出くわす。
スピードが出ている車の無理な追い越し。シートベルトもあまり浸透していないため、インドではかなり悲惨な事故が多い。
こちらも巻き込まれないように安全運転で進む。
道は昨日までに比べてましになっていたが、渋滞が多くあまり進めず。結局アグラまであと30kmというところで今日は宿をとった。
5日目
2014年12月4日 世界一周455日目
朝5時起床。夜が明けるのを待って6時半に出発する。
アグラからデリーまでの間は貸切のような静けさで走りやすい。前回ガス欠になったが、今回は抜かりなく給油して高速道路に乗る。
首都高速が渋滞していたので減速すると、ニワトリを乗せたトラックが事故したようで辺りにニワトリがぶちまけられていた。
無事にデリーに到着。
宿にバイクを泊めてから、向かったのは南インド料理のお店「Saravana Bhavan」。もはやデリーに行った時のルーチンになりつつあるお店だ。