ロライマ山トレッキング4日目
2016年3月18日 世界一周674日目
今日はテーブルマウンテンを歩き回って探検する日。テーブルマウンテンといえど、頂上はまっ平なところばかりではなく、その上にまたテーブルのような岩山があったり洞窟のように空洞があったりと多様だ。今日は地形に沿って歩き、テーブルマウンテンでしか見れない固有の植物を見る。
晴れているのはいいんだけど、標高が1000m高いお陰で日差しがきつくかなり暑い。
午前中は散策しながら雨水が溜まった池に行き汗を流しに行く。
でっかい水晶の塊。原型はもっと沢山ついているんだろうが、ここにくる人にもぎ取られてしまったのか。
池の中にも水晶が一杯。白く見えるのが水晶。
今日のお風呂はこの水晶が散りばめられた池だそうです。
ただでさえ水晶は浄化効果が高いというのに、こんな秘境で水晶風呂に入れるなんて最高としか言いようがない。
水は結構冷たい。ここに温泉が湧き出たら最高だけど、元々地殻変動が起きにくいプレートだからありえないだろう。
石鹸やシャンプーを使いたいところだけど環境を破壊するため我慢する。実はこのツアーは、ポータブルトイレも持参していてとても環境に気を使っている。
向こう岸のテーブルマウンテン。
マヌケで恥ずかしいが、万が一突風が吹くかと思うと怖過ぎてこれ以上体を前に出せない。
うっかり落ちたら三回くらい死ねる高さ。
真ん中の道が歩いてきた道なのか。
このギアナ高地でしか見れない植物たち
天然の寄せ植え。春になったらこんなイメージで寄せ植えをしたい。
真っ黒なカエル。毒でもありそうな色だけどないらしい。
絶妙なバランスで君臨する亀のような巨岩。
この場所で他のツアー客に全く会わなかったけど、ケーブが沢山あるから何処かにいるのかな。
一日中歩き回ってかなり歩き疲れた。雨は降らなかったけど、湿気が強く服も乾かなかった。
ツアーの初め頃は肉をふんだんに使った豪華な料理だったが、この頃には缶詰やインスタントの食事が多くなり食が進まなくなっていた。6日分の食事を持っていくのだからインスタントになるのは仕方のないことだ。自称フードファイターのHさんはそれでも頑張って食べていた。見習いたいところだけど、どうしても私には完食することができなかった。
ロライマ山トレッキング5日目
2016年3月19日 世界一周675日目
今日は下山して1日目に泊まったキャンプ地まで帰る。
テントを撤収し移動開始。ポーターさんには本当に頭が下がる。
崖を降る時に雨が降らなくて本当によかった。
崖をずりお落ちるように下山中、水筒が落ちてヒビが入ってしまった。
なんだこの木は。枝が落ちたところなのか、跡ができている。
しかし、よじ登って上がったところを降りるのはかなり辛かった。スタートから4時間かけてベースキャンプまで戻る。ヘトヘト過ぎてランチができるまでの時間は木陰で気絶していた。
ランチはインドのチャパティーの分厚いようなもの。食べてすぐ出発。
ここからがまた長かった・・・・。長く緩い下り坂なんだけど、すでにロライマからの下山で体力を使い果たしてしまい、容赦無く降り注ぐ太陽を浴びながらフラフラになりながら歩く。かろうじて残った水を取り出す事さえ辛い。休もうにも木陰がない。もちろんトイレもない。ほとんど気力だけで歩いた。
やっとの思いで到着。あまりにも疲れ過ぎてキャンプでへたり込み、川で汗を流した後もしばらくテントで休んだ。ちょうど生理だったし、去年からのインド生活では運動不足が続いていたので体力が落ちていたのだろう。
少し復活したので外に出てみると、今まで見たことがない程の人がいた。どうやらこの野営地はこれから山に登るグループと帰ってきたグループが混在しているらしい。
その中に、サンタヘレナまでの長距離バスで一緒だったカナダ人がいた。彼らのグループは7泊8日の予定で申し込んでいたのに、食糧が5泊分しかなかったらしく結局下山してきたらしい。山頂で他のグループを見なかったが、やはり他にもいたようだ。
他のグループは今日が初日でここまで来たそうだが、なぜかご飯やテントがまだ来ていないらしい。こちらが夕食を食べている間にテントと食糧は届いたのだが、今度はキッチン道具がない。そこでうちのルイスが調理器具を貸してやっと調理が始まった。
うちのグループも食事やテントの用意が遅く、ポーター達がよくタバコをくれと言ってきていたし、ひとりで参加した女の子にセクハラまがいな事を言って嫌な気持ちさせられていたのだが、こうも他のグループの散々なところを見てしまうと全然恵まれていたことに気がついた。
考えてみればこれらのことは何処の国でも起こる事だし、先進国から来ている私達からすると破格なツアーなだけに期待しすぎるのも筋が違う気がする。ご飯やテントがないなんていう生命の危機にも直結する実態から比べれば、こうして無事でいられるのがありがたいくらいだ。
ありがたいのだが・・・・・・・・・。
実は夕食後からお腹の調子が悪く、何度も夜中に草むらを往復した。フードファイターのHさんは全く症状がないのだが、今朝からポーターの男の子が腹の調子が悪いと言っていたので食事が悪かったのか。腹痛は辛かったが疲れていたので眠れないということは無かった。
ロライマ山トレッキング6日目
2016年3月20日 世界一周676日目
突然の爆音ノリノリミュージックで叩き起こされる。時計をみるとまだ5時半。びっくりして外に出てみると隣にテントを貼ったブラジル人と思われる団体が大音量で音楽をかけたままいなくなっている。
ふざけるな!
一瞬にしてブチ切れたミゾヨコは音楽を止めたかったが、外からではスピーカーを何処に置いているかわからない。流石に他人のテントに勝手に入っていくのは気が引けるのでしばらく待ち伏せし、帰ってきたテントの主に止めてもらった。昨日からの下痢はまだ続き、ゆっくり休みたいのになんなのこの仕打ち?
昔ブラジル人の友達が言っていたことが今頃になって理解できた。彼らは自虐的に「俺たちはブラジリアンだからな。」と言っていた。その時私は彼らと楽しく過ごし自分もブラジリアンになったと喜んでいたけど、本当のブラジル人はマジでぶっ飛んでいる。
あの鎮まりかえった早朝に音楽かけるだけでも勇気がいるのに、大音量ってなんで?テントは2mも離れていない。爆音かければみんな起きてニコニコ踊りながらテントから出てくるとでも思っているのか。地球も真反対側までくると予想すらできないことが起こる。
腹の調子はまだ悪く、今朝は白色の便が出た。昨日あんなに辛かったのは内臓からの疲れもあったのだろう。
出発してからも腹痛がつづくが、ひらけた草原を歩いているためなかなかいいポイントが見つからず選択肢は我慢一択。大体のモノは出し切っているはずだが、うっかり気を緩めると何処から何が出るかわからない。それでも足を進めなければゴールにたどり着くことはない。疲労はさらに蓄積し、鉛のように重い身体で歩くのが地獄だった。
グループの人にお腹の調子を聞いてみると、嘔吐下痢した人が他にも3人いることがわかった。Hさんはご飯を残さず食べつづけているのに全く症状はなく、もりもり進んでいく。あんなに丈夫に産んでもらって羨ましい限りである。
無言のままなんとか歩きつづけ、遅れ遅れでやっとスタート地点まで帰ってきた。差し出されたビールを一気飲みする。また直ぐお腹をくだすかもと思ったけど、もうそんなの関係ない。そして無茶苦茶おいしかった。
帰り道、ルイスくんからサプライズプレゼント。みんなで実家招いてくれてお母さんの作ったご飯ご馳走になった。
この燻製のチキンがまたとても美味しかった。
悪いものをすっかり出し切って復活したのか、はたまたアルコールで麻痺したのかはわからない。でも人は喉元過ぎればなんとやらで、美味しいご飯ですっかり機嫌も体調も治った。
翌日
2016年3月21日 世界一周677日目
コロンビアへ帰るための準備を始める。
昨日はランドリーが閉まっていたので朝食を食べて直ぐに向かう。水不足のため値上がりしているらしく1キロ1500ボリ。他に安いところを探すのもめんどくさいのでお願いする。
コロンビアまでのバス代金を調達するため両替を探す。1ドル800ボリと結構強気なレートの人が多く、何人か聞いて回って910ボリのところで替える。両替を済ませたので今度はパッキングを始めた。Hさんは私ほど荷物が多くなく、さっさと終わったので洗濯物を取りに行ってくれた。
ところがHさんが不機嫌そうに帰ってきた。理由を聞くと札束のお金が足りなかったそうだ。先ほどの両替の時か洗濯の支払いの時かはわからないが、お金が抜かれていたらしい。改めて残ったお金を数え直すと200ボリバル紙幣が12枚も少なかった。2人ともロライマツアーが終わったことで完全に油断していた。両替の時、山のような札束を前に最後まできちんと数えなかったかったので仕方ない。
それと、洗濯に出したはずのTシャツが一枚無くなっていた。直ぐにランドリーに行ったが、知らぬ存ぜぬの一点張りで全く取りつく島もなし。いつもは洗濯に出す時と返却の時に全部で何枚あるかを確認するのだが、今回は自分で取りに行かなかったから確認できなかった。大体こういうケースは受け取りの時に気がつけば、お店の人もしれっと返してくれる。あとは帰るだけというちょっとした気の緩みに不運は入り混んでくるもんだ。出国前に新調したナイキのTシャツ。今も誰かに大切に使ってもらって天寿を全うしていることを祈りつつ、ミゾヨコ一行はコロンビアに向けて移動を再開するのでした。
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