2014年8月18日 世界一周345日目
丸一日かけてマナリから5000m級の峠を3回越えてレーに移動したミゾヨコ。
レーは、インド北部ラダック地方(ジャンムー・カシミール州)最大の中心都市。ラダック自治山間開発会議の議会がある旧王都である。
Wikipedia
チベット文化圏に属し、大部分がチベット民族である。そのため、「インドのチベット」とも呼ばれる場合がある。
標高は約3650m。交通は不便で通常デリーから空路1時間でレー空港に降り立つことになる。タクランラ峠(昨日ミゾヨコが通ってきた標高5360mの峠がある道)越えの陸路(約22時間)は夏季しか通じない。
この頃はリシケシでヨガを習った後だったので、朝のストレッチとヨガが日課になっていました。しかし、狭いベッドの上で肩回しをやっているだけで息苦しい・・・・。
それもそのはず、ここレーは標高3500mと高地。酸素が薄いんです。少し難易度が高いポーズになってくると、すぐに息が切れるようになります。
宿は地球の歩き方にも載っている 「Old Ladak GH」
宿は老朽化が進んでいますが、ルーフトップもありまずまず落ち着けます。
個室から窓を開けると中庭が見えます。旅人が集っていました。
話をしてみると、20年前にも同じ宿に泊まったというアメリカ人。今回は息子も連れての旅行だそう。もうすぐ帰国するらしい。
情報収集するべく行動開始
携帯で観光情報を調べようと思ったけど・・・
また携帯がつながらない!
え?レーにくる前にリチャージしましたけど?
また電話会社の気ままな爆撃にやられたか?!インドでSIMカードのトラブルの話はこちら↓
不安になったミゾヨコ。
しかし、どうやらパキスタンとの国境が近いこの地方は、スパイやテロなどにとっても敏感。
なので、他の州で買ったSIMカードでは携帯が使えないことが判明しました。
こちらにもエアテルのSIM売ってますが、なんせカバー範囲がかなり狭くミゾヨコが訪れたい秘境はカバーされていないことがわかりました。
使えないSIMの為にお金を払うのも嫌だったのであきらめて、地道に歩いて情報収集することにしました。
レーの街を歩く
宿の周りのオールド・レーと言う地区
標高が高く空が真っ青です。
お日様がとても近くに感じて痛い。
あちこちにゴンパが建っています。山の上にあるのは王宮と有名なゴンパ。
そして、マーケットへに行きました。
おお!巨大ズッキーニ!っていうか、左隣の大根とのサイズ感がおかしすぎるわ。
チベット文化圏といういことで、顔つきもどことなく日本人のよう。街の雰囲気はネパールに近いけども、田舎だけに空気は綺麗。
メイン通りはどこも工事中。
街のはずれにある、バスターミナルまでの道のり。ベージュ色の岩山に張り付くように民家が立っている。
大量の犬がお昼寝中で見ていて癒されます。
レーを拠点とした観光情報
旅行会社やバス会社を巡り、ラダックの観光情報がだいぶ出揃いました。
レーを拠点にして観光すると主に3つのエリアがあります。
ヌブラバレー
レーより北上し、外国人が訪れることができる最北端の村を訪れるルート。パナミックにはなんと温泉もあります。
しかし、ここに行くには頻繁にはないローカルバスを使うか、ジープチャーターのグループに混ぜてもらうしかなさそう・・・・・・。
しかも、ヌブラバレーには特別な許可書をとらなければならず、その期間も限られているため、ゆっくりローカルバスでって言うのはかなりリスキー。
かと言ってジープチャーターも、団体行動になるため制限もあるしちょっと億劫。
パンゴンレイク
レーから東に150キロ。標高4200mに位置する塩湖で、中国のチベット自治区をの国境上にある秘境。同じく国境が近いためパーミットが必要で、ローカルバスも少ない。インドの有名な映画に出てきたとかで、インド人の観光客が多いところ。
ザンスカール
車道だとかなり大回りをしなければたどり着くことができない。夏のみ通れる道で、秋から春は陸の孤島となる。冬はチャダルトレックという凍った川の上を歩くトレッキングが有名。秘境中の秘境なので是非行ってみたい。途中に色々と見所もあり。
その他
中国のチベット自治区ではほとんど破壊されてしまったチベット仏教のゴンパですが、ここラダックには手を加えられることなく綺麗な状態で残っています。どこもレーからは少し遠いためローカルバスを使うか、チャーターで回るしか方法がありません。
移動手段
ローカルバス
一番安く行ける方法。前述の通りバスは週三回の運行だったりしてかなり不便。パーミットも1回の発行で滞在できるのは1週間なので、バスを乗り過ごすと期限が切れてしまう可能性もあり危険。
乗合ジープ
ツアー会社の前に紙が張り出してあり、ツアー参加者を募集している。金持ちインド人や欧米の(貧乏ではない)旅行者が対象のため、やや高め。だが宿泊先などの心配をしないでいいのは魅力的。ミゾヨコが探した時にもそれぞれツアーがあったので最終手段として検討する。
バイクレンタル
まず初めにバイクのレンタルをするためには、ある程度のバイクのメンテナンスが自分でできることが前提だ。インドの山奥でバイクが止まっても、そう簡単に迎えにきてくれる人はいない。夏とはいえ、標高が高ければ夜は冷え込むので、最悪は命の危険もある。
バイクのメンテナンスは無知に近いミゾヨコ。パンクでもして足止め食ったらどうなるか・・・・・。
人は全く経験のないこと、想像ができないことに対して根拠のない莫大な不安を抱きがち。
でも、マナリからレーまでの絶景はバイクで走ったら気持ちよさそうだったし、ヌブラまでの道も絶対絶景に決まってる。あの絶景を思い出すとまた胸がドキドキし始め、恐怖心より好奇心が少しずつ大きくなりはじめた。
借りるかどうかはあとで決めるとして、とりあえずレンタルバイク屋へ行ってみることにしました。
ロイヤルエンフィールドのクラッシック350ccのモデルが一番人気で、1200ルピー。た、高い・・・・。
スタンダードモデルで900ルピー。
日本でのレンタル代考えると激安なんだけど、インドの物価とミゾヨコの予算からすると高い・・・・・。だって宿代3日分ですよ。
ショップでツーリングルート考察
ルートも一応相談してみる。
大型バイクに乗れると言っても、日本の整備された広い国道くらいしか経験のないミゾヨコ。車のタイヤ交換はひとりでできる自信はあるが、バイクは全くの未経験。
お店の人も、一人で行くなら道路が舗装されているラマユル方面に行ってみてはとのこと。ラマユルとはザンスカールへいく途中にある名所。
ザンスカールには行こうと思っていたので、バイクで行くということはザンスカールまでひとりでバイク?!?!
う~ん。ザンスカールには行きたいけど、遠すぎてひとりで行ける気がしない。
でも、せっかくラマユルまで行くのにわざわざまたレーまで帰るのもつまんないな・・・。
ヌブラまでの道もかなりデコボコらしく、一人で行くのは怖すぎる・・・・・。
ロイヤルエンフィールドのバイクを目の前にして、テンションが上がるミゾヨコ。バイクにまたがって足つきを確認するが、自分のバイクのようにしっくりこない。バレリーナのようなつま先で、何とか車体を起こせる程度。ただでさえ路面のコンデションが最悪なのに、足の裏がしっかり路面に付かないのはかなり怖い。これでひとり、初めてのバイク旅を始めるにはリスクが高すぎる。
バイク仲間でもあるK氏に相談してみても、あまりいい返事はない。そりゃそうだよな・・・・。
わーん、どおしよう
SIMカード事情
実際のバイクを見たことで、さらにバイク旅への熱が増したミゾヨコ。
取りあえず、ひとりでバイクで旅するならSIMカードをどうにかしたい。バイクを借りるかどうかは、SIMカードを手に入れてから考えることにした。
そこで耳寄りな情報をゲット!
どうやら、ここの住民に名前を借りればBSNLと言う国営の電話会社のSIMが借りれるらしい!
さっそく宿の人に頼んでみたが即答で断られた。
なんて、ケチなおっさん!私が厄介ごと起こすわけないじゃん!名前くらい貸してくれてもいいのに!って思ったけど、どうやら住民ひとりにつき、アカウントはひとつしか認められないらしです。
でも、バイク旅するなら絶対ライフラインは確保したい。そう思ったミゾヨコは近くの宿で、他にいいアイデアがないか聞いてみることにしました。
バブーゲストハウス
頑丈な鉄の扉が玄関の「Babu GH」
「ハロー!」
入ってみたが、宿はしんとしていて返事がない・・・・・。
しばらくすると、奥の方からアジア人らしき男の人が出てきました。
彼はJさんで何と日本人でした。
話を聞くと、私より1週間ほど前にレーについたらしい。
そして、このJさん。なんと、バイクで旅してるって!
ほんでもって、
近々ヌブラバレーにくんですと!!!!!
運命の出会い
きたーーーーーー!!!!!
神君臨!
渡りに船!
棚から牡丹餅とはこのことですよ!!!!
ちょ!ちょ!私もバイク借りるんで一緒に連れてってください!!!!
持ち前の図々しさで懇願したところ、あっさりオッケーが出た。
と、言うことで
さっきまでレンタル代が高いとか、SIMカードがないからどうのとかなんて問題はミゾヨコの頭からすっ飛び、めでたく旅の仲間にJさんが加わりバイクの旅を初めることになりました。
再びバイク屋へ
早速バイクレンタルと国境近くへ行くための許可証の取得に行きました。
バイクはこの時期ハイジーズンなのもあって、先ほどのバイクはすでに借りられてしまいました。他の店を探してみましたが、ボロボロのが一台残っていただけ……。
バイクのレンタルでは後々トラブルになることが多い。また、今回は1週間ほど険しい道を走ることもあり、入念にチェック。
にゅうね・・・・・
入念に確認するまでもなく壊れてます。
ストップランプ、ウインカーすべて全滅。
おまけにフロントのウインカーもラップでぐるぐる巻きでかろうじてついてる感じ
ここここ、こんなんで大丈夫!?!?!?!
しかも前の人たちが何度も転んだのか、クラッチもひん曲がってるし!
小傷なんてもんじゃなく結構いろんなところがへこんでるし!
ショップのお兄さん「ノープロブレム」
ミゾ「えー、ウインカーの壊れてんのに、こんなんで後ろから追突されても私の責任ちゃうからな~怒!」
ショップのお兄さん「危ないから夜は運転しないでね(^^♪」
ミゾ「なんじゃそらーーーーー!」
This is INDIA. これぞインドですよ。
もう怒る気にもならず、むしろ清々しい気分で郷に入れば郷に入ることを決意した。
まあ、Jさんもいてくれるから、何とかなるか。
バイクレンタルの流れ
そして、手続きを進めます。
英語の承諾書をなんとか解読。日本と同様、基本的メンテナンスに支障がある場合はレンタルバイク屋の責任。その他ガソリン・オイルやタイヤなど消耗品に関わることは借りる側の責任。大筋はなんとなく理解できたところでサインをし、いよいよ本当にバイク旅への準備を進めることになった。
旅に必要なものの準備
・ヘルメット→バイクと一緒に貸してくれた。
・長靴→(雪解け水で道路が小川になることあり必要)奇跡的に私のサイズぴったりの物をバイクと一緒に貸してくれた。
・予備用ガソリンとタンク→田舎では観光客へのガソリン供給がないため自分達でガソリンも持っていく必要がある。
・防寒具→大体持っているのでOK
・予備のタイヤ→パンクした時のチューブや空気入れなどはJさんが全て持っていてくれるので今回は必要なし。ありがたや。
・荷紐→本当はベルト式がほしいところだが、ラダックには売っていないため普通のゴムの荷紐を購入。ガタガタ道では緩みやすく、いつの間にか荷物がなくなることもあるので多めに買って備える。
と、言うことで、試運転を兼ねてガソリンの予備タンクを探してガソリンを買いに行くことにしました。
試運転
キックでエンジンをかけ、おそるおそる出発。
うおー!なんかふわふわする~
うまく曲がれない~!!!
長い間バイクとは無縁の生活の上、ローダウンして乗りなれた自分のバイクとは違い乗りにくい。
カーブの度に現れるサラサラの砂地トラップにドキドキ。
なんか、エンジンからカサカサって音が聞こえるのは気のせい?
何となく気になったもののとりあえず安全運転。教習所で習った基本を思い出しながら、ガソリンタンクを太ももでぎゅっと挟みバランスをとり、行きたい方向に顔を向け曲がる。
日本のように落ち着いて車間距離をとるドライバーなんかいない。インドではそれぞれが行きたいところへ突っ込んで行く。
そもそもインドは文字認識率がかなり低く、運転免許証自体の存在が無いに等しい国。
しかもあたいのバイクウィンカー壊れてますから(涙)
だから曲がる時なんて軽くパニックですよ。
て、て、てて手信号しなきゃ?!
えっと、右折なら左肘を曲げ手を上に向け…
って、今のあたいにそんな余裕あるかよ!!
てな感じでパニック状態のままJさんのバイクに付いていき、近くの車の修理屋へ行きました。
予備のガソリン準備
ここで何をするのかと思ったら、オイルを入れていたプラスチックボトルを入手しました。これに予備のガソリンを入れるそうです。
そしてお次はガソリンスタンドに行き、簡易タンクにガソリンも追加しひと段落。
さて、用意もざっくり整ったので近くの食堂で一休み。
Jさんは1ヶ月くらい前にバイクを買って、カシーミールのパキスタン側の方からゆっくりヒマラヤ山脈を旅してきたそうで、旅の経験値が高くて話をしていて楽しい。
Jさんがいなかったら、予備のガソリンが必要なことも知らなかっただろうし、オイル缶で代用できるのも知らなかった。心強い仲間ができて本当に良かった。
宿への帰り道
ミゾヨコが泊まっている宿はスペースがないため、Jさんの宿にバイクを置かせてもらうことになった。
しかし、なーんか、バイクの事が気になる。あのカサカサした感じはなんなのかな・・・・。ガソリンはあるし、オイルは借りたばかりだからもちろん入っている・・・?
あれ?なんか、オイルの線見えないんですけど?
これって満タンですかね?
Jさんに見てもらうと・・・
なんと空でした!!!
まじかよ!
これ気づかずに行ってたら、確実にバイクのエンジンがダメになって下手したら弁償コースじゃん!!
え?もしやレンタル屋もそれが狙いか?!
ぷんぷんしながら、レンタル屋に帰りました。
三度目のレンタルバイク屋へ
どうやらメンテナンスの際、オイルを交換する予定でオイルを全て出したはいいが、入れ忘れていたらしい。
もー!
私が気が付いたおかげでバイク1台無駄にしなかったんだから、お礼ぐらい言ってほしいわ!
それか、本当は後々になって色々ケチつけられて大金請求しようとしていたレンタル屋の陰謀?(被害妄想)
絶景への期待とトラブルへの不安で胸一杯のまま次の日からバイク旅が始まるのでした。