この記事は2014年に書かれたものですが修正して2019年に更新しています。
2014年の為替は1インドルピー=1.6円です。
バイクのことだけ知りたい方は目次から一気に飛んでください
ラダックからデリーへ
インドの秘境、ラダックでバイク旅を楽しんだミゾヨコ。バイク旅が楽しすぎて、頭の中はすっかりバイクの事ばかり。しかも、Jさんの乗っていたタイプのバイクはミゾヨコの心をワシ掴みにしていたのです。
見てください、このクラッシックなフォルム。本当かっこいい。しかも、マフラーをチョチョっと変えればいい音がするんです。
とは言え、この後マラソン大会に出場することになっていたミゾヨコには、これ以上ラダックで観光する時間はなくなっていました。パンゴンレイクに行けなかったのは残念ですが、南下してデリーを目指すことにしました。
2014年9月4日 世界一周362日目
乗合ジープでマナリまで移動。今回は曇り空が多く、時折雪道もありました。もう少し雪が深ければこの道は封鎖されてしまう。そうなると飛行機での移動しかできないくなるので、早く南下できてよかった。
2014年9月5日 世界一周362日目
マナリからパルバティバレーの村に寄りつつ、デリーに移動。今回は政府の安いバスがないため、少しリッチなボルボ社のバスを利用する。今までの貧乏バスと違い窓がちゃんと閉まる、ガタガタ揺れない、足を伸ばすスペースが十分にあり、かなり快適。その分チケット代も2倍以上はするのだけど、それでも出す価値はある。移動の快適さはお金で買えるのがインド。
産業都市ノイダ
2014年9月6日 世界一周364日目
デリーに到着。その足でノイダという市に移動しました。
何故ここに来たのかというと、明日ここでマラソン大会が開催されるから。
地下鉄で移動し、マラソンエキスポが開催されている場所まで行く。
ノイダはデリーから地下鉄で行ける距離でありながらウッタルプラデーシュ州に属する産業都市。区画整理がされており、バックパッカーの御用達であるパハールガンジとは違って街もきr・・・・
と思ったら、意外とゴミも牛も旧市街と同じように健在でした。
参加費用は1500ルピー(約2500円)とインドにしてはやや高め。
ここでも外国人、特にアジア人のマラソン参加者が珍しい。ラルフというオーガナイザーの興味を引いたらしく、旅中にマラソン大会に参加していることを説明すると、甥っ子と夕食をするので一緒にどうかと誘われた。
まだ宿を取っていなかったので、とりあえず連絡先を交換して宿探しをすることにした。
しかしここは産業都市。ゴミや牛の無法地帯であるにしても物価は高い。マラソンのスタート地点まで早朝に歩いていけるホテルというだけでも限られているため、選択肢が少なすぎる。
数件のホテルの中でも一番安かったHotel Green View Palaceに泊まることにした。インドは有名ホテルチェーン以外は、お金を払おうが払わまいがそのクオリティーにはムラがある。でも今回はインドにしては大がつくほど正解のホテルだった。
掃除も完璧な上、スタッフの接客がプロフェッショナル。インド人特有のギラギラした感じを全く感じさせない。その上wi-fiも問題なくサクサク使えるのですっかり気に入ってしまった。これで1泊3000円なら、かなりお得な気さえしてくるホテルだ。
ここでラダックの写真をオンラインストレージに保存しながらラルフの連絡を待ってたら、フェイスブックに信じられないニュースが流れてきた。
なんと、明日のマラソン大会が急遽中止になったのだ。
まじかよー。
にわかには信じがたい事実。さっきお金払ったばっかりなのに・・・・。
そもそも、災害が起きたわけでもないのに前日に中止なんて、あり得る?
そう、そんな事もあり得るのがインドだってことを忘れていました。
そうこうしているとラルフが甥っ子と一緒に車で迎えにきてくれた。よくよく事情を聞くと、明日は大統領がノイダに来ることになっていたらしい。ラルフは前々より警察からの許可はとっていたのだが、今日になって突然政府の方から許可を取り消されてしまったそうだ。
これがインド。
政府であってもやっぱりインドはインド。
人が困ろうが困らまいがおかまいなしのインド。
大会は延期になっただけなので、次回の楽しみにとっておくことにした。
デリー
2014年9月7日 世界一周365日目
大会が中止になった罪滅ぼしなのか、ラルフ達に朝から朝食をご馳走になり、そのままデリーのパハールガンジに送り届けてもらえた。
埃っぽくて、鬱陶しいインド人が多くて、牛も沢山いるけどなんとなく落ち着くパハールガンジ。
ここで、今後の計画を立てる。
バイク購入を真剣に考える
バイク旅がしたいなあ・・・・・。
ラダックでのバイク旅が楽しすぎたミゾヨコは、自然とバイクの事ばかり考えていた。
ミゾヨコが日本で大型バイクを乗るきっかけを作ってくれたK氏は、困惑を見せながらも賛成していた。1ヶ月後にはネパールで合流する事が決まっていており、K氏としてもバイク旅に興味があったのもあるだろう。
一度バイク旅をした事で、いいか悪いか少しは度胸もついた。バイクのトラブルだって、基本的にはメンテナンスをしっかり行っていれば防げる事が多いだろう。パンクなどの不測の事態にも、しっかり備えておけば後は何とかなるのではないか。
問題は、どのようにして程度のいいバイクを見極めるかだ。
取り合えず、インドバイク旅の先輩であるJさんに、どこにバイクを見に行けば良いのか、どんな事に注意すればいいのか聞き、カロルバックにバイクを探しに行ってみた。
この辺りは問屋街で、バイクやバイクのパーツ、車用品などのお店でひしめき合っている。
取り合えずロイヤルエンフィールドの取り扱いのある中古バイク屋をまわる。最初に訪れたのはロンリープラネットでもオススメされているMrラリーシンのバイク屋。
私が店を訪れた時にはすでに、アメリカ人のおじさんがバイクを買いに来ていた。他の外国人がいるだけでホッとする。
Mrラリーは何店舗かのバイクショップを行き来して忙しいため、私たちに昼食の出前やチャイをご馳走してくれた。こうして事務所で彼を待ちながらくつろぐ事になった。
マークと名乗るアメリカ人の要望を聞き終えたMrラリーは、私の要望も聞いてくれた。しかし困った事に、私にはバイクをレンタルする事も売る事もできないと言ってきた。
短期のバイクのレンタルは可能だが、長期となると1台分と変わらないデポジットとレンタル代金になる。購入となると永住権を持たない外国人には難しいというのだ。
マークはというと新車に近いバイクを購入し、最終的にはアメリカ本土に送るという計画らしい。何だかシステムがよくわからないけど、とにかくこのおじさんは私にバイクを売りたくないってことだけはわかった。
Jさんの言っていた話とだいぶん違う。
困ったな。やっぱりバイクは諦めようか・・・・・。
そこにまた新たなアメリカ人が来た。スペンスという名前の彼はバイクを売りにきたそうだ。私と同じでラダックからの帰りで、出国までにバイクを売りたいとのこと。
お!渡りに船か!?彼のバイクを私が買えばと思ったけど、彼が乗っていたのは私が買いたいタイプとは違う。年式も古いため私が買うには危険であった。
でもバイクの知識がちゃんとあれば、このように旅行者からバイクを買うのが一番安上がりな選択肢ではあった。
情報交換
これからバイク旅をする人が、今まで旅をしてきた人に出会うと、そこはたちまち情報交換の場となる。
スペンスはラダックをまわって、仕事で住んでいるタイにこれから帰るそうだ。
マークはインドの5年観光ビザを取り、これからじっくりインドを回る予定。アメリカでもハーレーに乗っているらしく、同じくハーレー乗りのミゾヨコと意気投合。
「ハーレー乗りで、インドでもバイクで旅しようなんてバッドアスなチックは始めて会ったぜ」なんて褒めてもらい、バイクの納車まで時間にミゾヨコのバイク選びを手伝ってくれる事になった。
ラッキー!
神様は必要な時に必要な助けの手を差し伸べてくれるもんですな。感謝!
バイク探しと準備
そして早速バイク屋を数件まわったところ、運よく新車登録から1年経たない程度のいいバイクが見つかった。店のおばさん曰く、登録が2013年の12月だからディーラーのギャランティーも後数ヶ月残っているとのこと。
ちょっと予算よりは高めだけど、新古車の方が故障も少なく安心だ。
納車は明日の予定になったので、マークと別れて今度はヘルメットなどのアイテム探し。Jさんさんからオススメの荷紐が買いたかったけど、残念ながら探し出すことはできず。
ちなみにこんなやつ↓
なんでこれがオススメかというと、インドの道路はデコボコが多く、ゴムの紐だとどうしても緩みやすから。
実際、ラダックの旅行会社で張り紙を見たことがあった。マナリからレーの悪路でバイクを運転中、荷物がほどけ落ちてしまって無くなったみたいで青色のドイターのバックバックを拾った方は連絡くださいという趣旨のことが書いてあった。
悪路の運転で必死になりながらも、後ろの荷物にも気をつけなければならないなんて、本当大変・・・・。
この日はバイクの他のパーツや落下防止のため携帯につけるストラップなども買い揃えて、3000ルピーほどの出費。明日はATMで現金を下ろしていよいよバイクと対面。
2014年9月8日 世界一周366日目
そう言えば、昨日で日本を出国してちょうど一年になる。
2年で世界一周すると言っておきながら、まだインドにいるのは如何なものか。しかも、今日はバイクの納車まであり、インド旅がこれからもう少し続くのは決定になってしまった。
パハールガンジのシティーバンクのATMで8万ルピーを二回に分けて引き出す。海外では一日の現金の引き出しに制限があるのでヒヤヒヤしたけど、無事にバイク代が支払えそうだ。
バイクの納車に行くと、マークとスペンスもラリーのところに来ており、みんなでご飯を食べに行く事になった。
Mrラリーのお店から歩いて5分の超有名店、Angan bikanervala。
豆カレーにチャパティーを油で揚げたようなもの。
駅近くの安食堂よりは美味しいのかもしれないが、正直なところ大きな違いはわからなかった。
余談だが、マークは食中毒が怖くて毎日サブウェイでサンドイッチを食べていたのにも関わらず、腹を壊したらしい。インドの洗礼はたとえインド料理を食べなくても受けるときは受けるのだと思った。作っているのがインド人だから当たり前か・・・・。
納車
そして皆んなで私のバイクを見に行った。
丁度、頼んでいた部品が取り付けられている最中だった。
ほぼ完成形。パーツのペンキの塗り方が雑。で塗れていないところの塗り直しを頼むと、部品と取り外す事なくスプレーで塗り始めた。
「パーツを取り外して塗装した方が綺麗に仕上がる」という発想は彼らにはない。もちろんリクエストも聞き入れてもらえない。おかげでワインレッドのボディーにところどころ黒いペンキがついてしまう事になった・・・・。
後は両サイドにシルバーのツールボックスがついて完成。
マークにも試運転してもらいました。
彼は問題ないと言っていたけど、実は少し不安がありました。
いつもは厚底のブーツを履いてローダウンの足つきのいいバイクしか乗らないミゾヨコにとって、バレリーナのような足つきでこのバイクを支えられるのだろうか・・・・・。
考えた末、もう少しバイクの足つきを改善するべく、座席シートのアンコ抜きをする事にした。
カスタム
2014年9月9日 世界一周367日目
早速シートをオーダーした。パンクの修理キットやサイドのツールボックス、合鍵などをさらに買い足して2000ルピー以上の出費。
バイク本体が115,000ルピーだったので日本円で19万円以上を費やしてしまった。まだアジアから脱出してないのにこの出費は痛いけど、これはこれでいい経験だと思うので気にならない。
そして、バイクに異変が見つかった。
バッテリー液が漏れている。
まじか・・・・。
理由は何にせよ、とりあえずバイク屋で対処してもらう。本当は新しいバッテリーに買えて欲しかったけど、それも叶わず・・・・。
本当にこのバイク大丈夫なんだろうか・・・・。不安になってきた。
そしてここからミゾヨコのバイク旅が幕を開けるのでした。
バイク旅まとめ(2014年の情報を元に)
バイクレンタル
バイクを借りるには、1日800〜1500ルピーが平均です。地域によって、若干の誤差がありますが1か月単位で借りるとディスカウントあり。先にデポジットを預けるようになります。
日本とは違ってガソリンを満タンにして返すというルールはありません。
購入方法
バイクに詳しくない場合は、詳しい人と一緒に選びましょう。安く買えるのは旅人から直接買うことで、高く売るのも旅人に売ることです。
バイク屋から買う場合は、買取保証をすると言って売りつけるお店がありますので注意が必要です。旅をした後でバイクを買ったお店で買い取ってもらおうとした旅人が騙されてトラブルになっているのを見ました。不安であれば、契約内容を紙に書いてもらいましょう。基本的にバイク屋に売るためには書類が全て揃っていなければならず、書類がない場合は格安で引き取ってもらうようになるかもしれません。
必要書類
旅行者がバイクを正式に所有しようとすると、住民票やビザの問題があり難しい。そのため、中古のバイクを所有者を変えずに購入し、所有している証拠として元所有者からの購入証明やレシートなどを保持しておく事が必要です。
購入時に確認する書類は
1、登録証明カード
新車購入時に発行されるカードで、持ち主の名前やナンバープレートが記載されているカード。
これがなければ自分が売りたい時にバイク屋に売ることはできません。
2、自賠責保険の加入証明書
正確には忘れてしまいましたがインドでも自賠責保険のようなシステムがあります。
3、排ガス証明書(正式名称不明)
インドでバイクに乗るためには、定期的にガソリンスタンドでバイクの排ガスチェックを受けなければなりません。手続きは簡単で、少し大きめのガソリンスタンドには排ガスをチェックする機械が置いてあるのでそこでお金を払い、検査してもらって証明書をもらいます。
警察に止められた時にこれがなければ、賄賂を請求されたり何かと面倒なので忘れないようにしましょう。
バイク旅に必要なもの
ミゾヨコがバイク旅を始める時に新たに買い足したアイテムを中心に説明します。
- ヘルメット、グローブ、足首の隠れる靴
- 携帯電話用のストラップ(落下防止の為カラビナ付きに変更)
- 荷紐(荷物の多さによって多目に)
- パンク修理セット(空気入れも)
- ツールボックス(バイク購入時に工具は付いてきた)
- 国際免許証(念の為日本から持ってきていた)
- バイク用の盗難防止ロック
車種選びとメンテナンス
今回ミゾヨコはロイヤルエンフィールドにしました。見た目のかっこよさもだけでなく、長距離用に作られているので長旅でも疲れにくく、エンジンも丈夫だからです。
しかし、トラブルが少ないのは日本製のバイクには叶いません。特にHONDAはインド国内どこに行っても大体のパーツは手に入るので、修理が簡単です。
インドの道は舗装されていないところも多く、定期的にネジが緩んでいないか点検をする必要があります。特にロイヤルエンフィールドはネジが緩みやすいため数千キロごとにディーラーでチェックを受けた方が安全です。
実際にミゾヨコのバイクも走行中に突然ヘッドライトが落ちそうになって焦ったことがあります。
交通ルールについて
文字認識率が75%のいインド(wikipedia)では、まだまだ運転免許証の普及ができていません。それがどういうことかというと、免許がなくても車やバイクには乗れるということ。免許を取るために学校に行かないということは、交通ルールを知らないということなんです。
日本では当たり前に知っている標識の意味や交通ルールは通用しないと思っていた方がいいです。私が実際に困った例を説明します。
- 一旦停止を守らない
- 車間距離が異常に狭く、少しでも隙間が空いていると横入りが横行する
- 横の車間距離も狭いため、渋滞時には車に足をひかれそうになる
- 片側3車線の道路がラッシュ時には勝手に5、6車線になる
- 無謀な追い越し
- 夜間は対向車がいてもハイビーム走行
- 小さな事故は日常
- 大型バスでさえバイパスを逆走する
- バイパスの分離帯で牛や羊の放牧している人がいる
- 注意書き無しに突然車道がなくなる(正確には、あったかもしれないけど地元の人がどこかにい移動させたのか確認が取れない)
などなど、インドでバイクを運転するにはある程度の危険予測能力が必要となります。
ガソリンの入れ方について
必ずメーターが「0」なのをを確認してから目の前でガソリンを入れてもらいましょう。
時々ガソリン代金をちょろまかされることがあります。手口は、わざとメーターが見えない前方にバイクを止めさせてガソリンを入れ、多めの料金を徴収します。
また、ガソリンコックに鍵をつけていない場合は、ガソリンを盗まれることもあります。こんなのが便利です↓
宿泊
都会になると悩ましいのが駐輪場です。ミゾヨコはデリーのカロルバック付近のホテルに一泊した時、バイクがぶつけられて倒れていたことがありました。倒れて傷ついたのは腹が立ちますが、盗難されてなかっただけましだと思っています。基本的には出来るだけインターネットで駐輪場付きの宿を予約していました。
もし駐車場がなくても、少し高めのホテルの場合は入り口付近に夜間もセキュリティーがいるので、その人にバイクお願いしてチェックアウトの時や翌朝にチップを渡していました。
国境について
ネパールについては指定の税金を支払うことで入国できます。バングラデッシュやパキスタン、ミャンマーについては不明です。
以上です。もしこれからバイク旅をする人で聞きたいことがある人は、質問欄かTwitter経由でDMをください。知っていることは協力します!
バイク購入からですね。なんか楽しそうだね。