この記事は2014年に書かれたものですが修正して2019年に更新しています。
2014年の為替は1ネパールルピー=1円です。
チトワン からポカラへ
2014年5月24日 世界一周260日目
チトワン 国立公園を楽しんだ後、ミゾヨコ一行はポカラへと向かいました。
ツーリスト用のバスをつかわなかったら9時間かかるかもと言われていましたが、ローカルのバスでも5時間ほどで到着できました。
今回ポカラに来た目的は、Kちゃんがマウンテンフライトするということ。超小型の二人乗りの飛行機に乗って、数ヶ月前に私が歩いたアンナプルナ街道やヒマラヤ山脈を見に行きました。
前回のアンナプルナのトレッキングはこちら↓
こちらはイメージです。
私が高山病に苦しみながら歩いた道をひとっ飛びで行って見てきたそうで、これはこれでスリルがあって面白そうな観光方法です。
ポカラからカトマンズへ
2014年5月26日 世界一周262日目
ミゾヨコ一行はインドビザの申請がそろそろ次の工程に移るため、カトマンズに帰りました。今回も9時間ほどかかると言われましたが意外にすんなり5時間ほどで到着。
カトマンズでは前回友達になったトレッキングガイドのアレックスとも合流し、彼の実家に遊びに言ったり、みんなでバイクをレンタルしてナガルコットまで遊びに行ったりとわいわい楽しい時を過ごしていました。
今後のエベレストの予定
そもそもミゾヨコがネパールに来たのは、2014年の元旦をエベレストのベースキャンプで迎えるというのが当初の目的でした。
それが悪天候により実行できず、その代り春先にネパールに帰ってきてエベレストを目指すことに変更し、インドをさらっと観光して帰ってきたのです。
しかし、KちゃんもHさんも私もどんどん予定がずれていき、みんながネパールにたどり着いたときには、既に雨季が目の前の5月の終わりになっていました。
雨季でも標高がある程度上がればあまり関係ありませんが、ミゾヨコのルートは標高2000前後の山をいくつか超えていくため、雨が振ることが予測されました。
雨季のトレッキング、想像してみました。
レインコートを着て、濡れながらひたすら歩くミゾヨコ。
ヒルにかまれて血だらけのミゾヨコ。
ぐっちゃぐちゃに濡れた服を翌日またきないといけないミゾヨコ、ないわ・・・・・・・・・・。
なぜランタンへ?
でも、せっかくネパールまでまた来たことだし、どうしたものか考えました。
アレックスに相談するとひとつのアイデアが浮かび上がりました。
ネパールの雨季は、高山植物が咲き乱れ「世界一美しい渓谷」と言われるハイキングルートがあるのです。
そう言えば、アンナプルナで梅干しをくれたIさんも、そんなことを言っていた。
もともと、雨季と言っても日本の梅雨のようにシトシトとずっと雨が降るわけではなく、だいたい数時間降るだけ。
逆に雨季でしか楽しめないルートがあるとしたら、それはそれで行ってみる甲斐があるかも。
じゃ、ランタンに行ってみちゃう?
なんて言う流れでミゾヨコ一行はランタンに行くことになりました。
すると今度はアレックスとその友達のオブセックが一緒について来たいと言い出した。
地元民の彼らが付いて行きたいということは、旅行者同士が意気投合して「一緒」に行くではなく、いくらか賃金が発生すること。
これまでも一緒に遊びに行くときは、ミゾヨコ一行が彼らの食事代やバス代などを払うことはしていたけど、日当として支払ったりはしていない。
でもさすがに彼らは山岳ガイドで食べているわけだし、ここもタダでってわけにはいかない。
しかしミゾヨコ一行は今回複数で行くためガイドはおろか、ポーターを雇う予定もなかったのです。
う〜ん。アレックスたちはとっても気さくで面白いし、一緒に行ったら楽しいけど・・・・。正直なところガイドやポーター代払ってまで一緒に行きたいかと言われれば・・・・。
そこまでお金に余裕がないのが悲しいところだ。
しかし彼らはランタンの経験は全くないらしく、勉強のために行ってみたいらしい。
そう言われると悩ましいところ。せっかく友達になった彼らにはこれからも頑張って生活してほしいし、その為に応援したい気持ちもある。
悩んだ末、そんなに沢山は出せないけれど、彼らの勉強にもなる事だし一緒に行こうという事になりました。
そうと決まれば今度はいつような物の買い出しへ。
バックパックやストック、帽子、おやつetc。TIMSカードを作りに行ってしっかりパッキングを済ませました。
いざ出発
2014年5月29日 世界一周265日目
朝6時半にチェックアウトを済ませ、バスパークまでローカルバスで行く。
どうやらバスパークでチャイを飲んでいる間に7時発のバスを逃してしまったようで、次の8時半のバスまでさらに待つ。
バスパークの渋滞と大気汚染は相変わらずで、ここの滞在時間が増える事でちょっと後悔。
やっと来た次のバスも既に多くの人で満員。
なんとか席は確保できたけど屋根まで人であふれかえる始末w
バスはカトマンズの中心を過ぎるとすぐにくねくねの山道へ。
って、本当にこのバス、スリップしたりパンクしたりしないんでしょうね!?!?!
時々すごい細くなった崖道をそろりそろりと進み、前回の絶叫バスをはまた違った恐怖。
何回かの検問を通り、その度にルーフトップの人が降りてしばらく歩き、検問が見えなくなるとまたルーフトップに登って再出発という工程を何度か繰り返しました。
Dhuncheに到着。
遠くにヒマラヤ山脈が観れてすでにいい景色。
3人一部屋400ルピーの宿を見つけてチェックイン。
残念ながらシャワーが水しか出なかったけど、これからしばらく浴びれないので気合で浴びる。
今回のトレッキングルート
ランタンは、ランタン村に行くルートとゴサイクンドに行くルートがあり、そのどちらも行くルートもあります。
ランタン村へ行く方が高山植物が沢山見れたりするとの事だったけど、ミゾヨコたちの日程ではそこに行くと帰りも同じルートを通らなければならず。かと言ってランタン村を通り越すにはちょっと日数的にきつい・・・・
ゴサイクンドというところを通り抜けて南に下り、カトマンズ近くまで歩いて帰ろうという作戦になりました。
ハプニングは突然に
この夜は皆んなで皆んなで宴会。
早速ルーフトップでヒマラヤをつまみに一杯飲みながら作戦会議。
オブセックが私たちのルートを書いた紙が必要だというのでミゾヨコが部屋に取りに帰りました。
あれ、鍵が開かない!?
南京錠が錆びているのか、全然回らない!?
ちょっとKちゃん来て〜。鍵が開かんのよ〜。
大盛り上がりの中、Kちゃんまで呼び出し鍵を開けるのに必死なミゾヨコ。
「もー、さすがネパール。くそボロい鍵だから仕方ないわーー」
とか思いながらガチャガチャやってたら
ポキン
え?
鍵、折れちゃった(汗
ちょっと力入れすぎ?それにしてもボロい鍵ーー!
でも、鍵が壊れたのは不可抗力。
毅然とした態度で宿のおじさんに相談し部屋に来てもらうと、やはり鍵穴に鍵の破片がスタックして使い物にならくなっていた。
あ〜あ。
若干のやりすぎ感は否めないけど、仕方ない。
今度はヤスリを買いに行ってもらい、南京錠を切断する事に。
ヤスリを持ってきたオーナーが数分作業すると無事部屋のドアが空きました。
はーよかった。
一件落着♪
と思っていたのもつかの間。
そこに広がっていたのは
信じられない光景・・・・・・
荷物がひっくり返されている。
なにこれ!?
一瞬にしてパニック
5秒ほど静止して段々と状況がつかめてきました。
よく見れば、散乱しているのは見たことのないバックパックに登山靴。
窓際にはこれまた見覚えのないシャツがかけてある。
それは、泥棒に入られたわけではなく、なんと開けたのは
他人の部屋
だったのです。
そう、そもそも部屋を間違えていたのです。
またやってもうた・・・・
部屋を間違えていた事に気がつかず大騒ぎをした挙句、いろんな人を巻き込み鍵を壊してしまったのです・・・・・・・。
出発する前から大失態のミゾヨコ。久々に消えて無くなりたくなったのはいうまでもありません。
トレッキングスタート
2014年5月30日 世界一周266日目
昨日の失態を引きずるミゾヨコですが、みんなの後ろをカゲロウのようにそっとついて行きトレッキング開始。
標高2000mから一気に登って行きます。
民家や山羊の大群で癒されます。
標高2500m位までは元気に登っていたミゾヨコでしたが、段々と体が重くなりへとへとに。
Kちゃんも2700mくらいから頭痛と手足のしびれがあるらしく、顔色も良くない。
とりあえず高山病の薬ダイアモックスを飲んで、ペースダウンして歩く。
Hさんはと言うとネパール人二人組と引けを取らないほど体力があったようで、アドレナリンを放出したままどんどん進む事に快感を覚え、先に進んでいきました。
ちなみにHさんは、ここに来る前にアフリカのキリマンジェロに登頂済み。一度高所に順応すれは半年ほどは体は慣れているので問題なし。
そしてよく聞けば彼女、学生時代はなにもしなくてもマラソン大会の上位入賞の常連だったそうです。
ミゾヨコはといえば検診でも貧血で時々引っかかり、富士山でも高山病になった残念な体質。
Kちゃんは初めてのハイキングデビューがまさかのヒマラヤ山脈という事で、標高が高いところもハイキングも初心者。
この時点でミゾヨコとKちゃん、Hさんとネパール組にペースが別れてしまいましたが仕方ない。
無理にペースを合わせて辛い思いをしにきたわけではないので、少し落ち着こう。
ちょっと飴でも食べようと思い、ポケットに手を入れると、なんか嫌な感じ。
冷たい、塊。
げっ!
あああああああ!!!!
昨日泊まった、宿の鍵!!!!
チェックアウトの時、オーナーに返さずに出発してしまったのです・・・・・。
ミゾヨコは何回消えてなくなればいいのでしょうか・・・・。
鍵をぶち破り、他のお客さんにも迷惑をかけてしまった上にまたやってしまいました。
幸運にも、反対方向に歩く登山グループに遭遇し、鍵を託すことができましたがそうでなかったら何日も時間を無駄にするところでした。
サークルの虹
2014年5月31日 世界一周267日目
今日もゆっくり歩く。
ゼーゼー言いながら歩くミゾヨコを尻目に、地元の人たちは涼しい顔でどんどん歩いていきます
はしゃぐアレックスとオブセック
それにしてもこの二人、超元気。
こっちはヘロヘロ
ひよこちゃん、脱走中w
そして、ふと上を見上げると
なんと太陽の周りにサークルの虹!!!!
なんでも珍しいもの見ると、お願い事をしたくなるのはミゾヨコだけでしょうか?もちろん、この消えてしまいたくなるほどのおっちょこちょいをどうにかしてもらうようにお願いしました。
しばらくして、ロバの少年
「素朴」って言葉がとっても似合いそうな少年でした。
本日の山小屋
この日の宿は、ネパール人の元登山ガイドとフランス人女性のカップルが一緒でした。
二人はフランスに住んでいるけど、時々ネパールに帰ってきて一緒にトレッキングしているそうで、他のトレッキングルートのことなど色々教えてもらいました。
そしてその夜、また消えて無くなってしまいたくなることに気づきました。
今度はトラベルナイフを昨日の宿に忘れていました(泣)
もうもうここまで来たら、生きる目的も忘れて消えて無くなるしかないと思います。
ゴサイクンドへ
2014年6月1日 世界一周268日目
この日のゴールはゴサイクンド。
ゴサイクンドには湖があり、ヒンドゥー教の聖地でもあるためネパール人もお参りの為に歩いてます。
こちらはチベット仏教のゴンパ
道端で宴会中の人達
登ったり下ったりを繰り返し
相変わらずアレックスとオブセック、Hさんは部活のようにフーフーハーハー言いながら、もすごい速さで歩いてはミゾヨコとKちゃんを待ち、また物凄い速さで歩いては待つのを繰り返しています。
はしゃぐ二人。その体力少し分けて欲しい。
どこまでも続いていそうな山べりを歩き
聖地に到着
と、一息ついている間に宿の中にいるアレックスとオブセックの様子がおかしい。
通常ネパールでは、旅行者に同行しているガイドやポーターは山小屋の宿泊と食事が無料になるのですが、ヒンズー教の聖地でもあるため地元の人も巡礼のためにこの宿を利用するそうなんです。
前日のフランス人とネパール人カップルから私たちが彼らと仲良しなのを知っていて、ガイドとしてではなく巡礼者としてお金を払うように要求されたらしい。
でも、こっちは3人もいて外国人料金で飲み食いするわけだし、彼ら二人分くらいは簡単にチャラになると思うんだけど、宿の女性は断固として「NO」と
意地になったアレックスたちは次の目的地まで行こうと言い出し、無理やり標高4600mのパス越えを決め、ミゾヨコは重い体を引きづり再出発する事になった。
地図を見ると、パスまであと標高300mでそのあとは長い下り。
この標高で300m登るのも一苦労なのに、そのあとの下りが結構な距離。
おそらく宿に着く頃には日が暮れるだろうけど、地元民もいる事だしなんとかなるだろう。
そう思って出発してはみたが、1時間ほど歩いたところでアラレを含む横殴りの雨が降り出した。
寒いし、酸素が薄く息しても息できてる感じがしないし、足がうまく前に出せない。
もうヘロヘロ。
ミゾヨコの体力はすでに限界に近づきつつあり、それをみたアレックスが引き返す事に決めた。
ゾンビのごとく
アレックスは私の荷物を担ぎ、体を引きづりながらなんとかまた歩く。横殴りの冷たい雨が頬に当たって痛いけど、残った気力で進むしかない。
やっとの思いでなんとか同じ村に帰ってきた。さっきの宿とは別の宿にチェックインしベッドに倒れ込んだ。
雨に濡れたのと、無理やり歩かされた挙句、また引き返してきた事に疲労困憊のミゾヨコ一行。フルマラソンを完走したあとのような放心状態。
この標高で酸素が薄く気温が低い上、疲れ切った体では体は冷えていく一方。
寒すぎて、もはやシングルベッドで一人ずつ寝るなんて無理。
シングルベッド二台並べてくっつけて三人川の字の上にエマージェンシーシートをかけて寝た。
ゴサイクンド
2014年6月2日 世界一周269日目
昨晩は寒いのと寝返りができない窮屈さでなかなか寝付けず、ゆっくり起床し出発。
昨日は寒くて見る余裕もなかったから、結果的にここで一泊できてよかった。
ゴサインクンドのお寺はアンナプルナでみたチベット仏教のゴンパとは一味違って掘っ建て小屋のよう。
ここに来るため、かなり高齢のネパール人も頑張って歩いてきていたのですごい場所なんだろうな。
ここが、ゴサイクンドの湖
ここからスルヤクンダのパスを目指します。
普通なら2時間くらいで行けるみたいだけど、昨日の疲れも残っているため3時間かかって登頂。
そして、こっからが地獄
下り多めのフラットな道と聞いていたけど実際は昇り下りの混ざったかなりハードな道。
標高が下がるについれてお花が咲いているのを発見
結局スタートから10時間かけて宿に到着。
これ、昨日は引き返しておいて正解でした。
フルマラソンした次の日に、またフルマラソンした気分で就寝
カトマンズへ
2014年6月4日 世界一周271日目
標高が低くなるにつれ、体が楽になったミゾヨコ一行はだいぶん元気になりました。
2014年6月5日 世界一周272日目
カトマンズが近くなり、子どもの姿もちらほら。
ランタントレッキングまとめ
宿や食事の感じはアンナプルナやエベレストと同様で、宿代が安い分食事もその宿で頼むことになっています。
結局、高山植物らしきものは少し時期が早すぎたせいでほとんど見れませんでした(泣)おっちょこちょいの失態で何度か消えて無くなりたかったですが、なんとか完全に消えることなくランタントレッキングを満喫したミゾヨコでした。
その後、トラベルナイフはカトマンズで全く同じものを見つけて購入。忘れた事実をなかったことにして締めくくりました。
他の消えて無くなりたくなった話はこちらから↓
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